NICTは、日本標準時の発生・供給業務の一環として、おおたかどや山標準電波送信所(以下「同送信所」、所在地:福島県川内村)から標準電波の送信を行っています。
平成23年3月11日の東日本大震災に伴い発生した原発事故により、福島第一原子力発電所から17kmの距離にある同送信所にも避難指示が出され、翌3月12日、NICTは同送信所からの運用者の退去及び標準電波送信の一時停止を余儀なくされました。さらに、同年4月22日以降は、福島第一原子力発電所から20km圏内が警戒区域に指定されたため、同送信所への立入りには自治体の許可が必要となりました。
このような状況の中で、NICTが行ってきた送信業務の再開及び運用に向けた活動に対し、同送信所の所在地である川内村からは多くの御支援を頂きました。特に、警戒区域内への立入りに必要な手続きを迅速かつ効率的に処理して頂いたことで、標準電波の一時停止から約2か月後の5月13日に送信業務の復旧を果たすことができ、その後の運用や機器改修も順調に進めることができました。
川内村の公共施設が帰村し再開した今春、NICT 熊谷理事、井口所長(電磁波計測研究所)ほか関係者が川内村役場を訪問し、震災から約1年にわたるNICTへの御支援と御協力への謝意として、NICT理事長からの感謝状と記念品を、遠藤村長をはじめ役場の皆様に贈呈しました。
村長や役員の皆様には、住民の帰村対応等で御多忙の中、我々をお迎えくださったことに深謝申し上げます。
また、被災された皆様には、心からお見舞い申し上げますとともに、一日も早く復興されますことをお祈り申し上げます。