NICTは、視覚障がい者への歩行支援を目的とする音声アシスト規格(ARIB STD-T68)に準拠した“特定小電力無線電話送信機”を、平成21年度に3台試作し、多くのFMラジオで受信可能という特長を活かした音声同報手段としての可能性を検討しています。今回、震災復興支援活動の一環として、同送信機を東日本大震災の仮設住宅地に設置し、居住者への音声アシストサービスと共に、電波伝搬状況の検証を目的としたフィールド試験を開始しました。
NICTが試作した送信機は、FM放送帯の直下に当たる75.8MHzの周波数を使用する音声同報用無線設備で、技術基準適合証明を受けた特定小電力無線局として、免許・資格無しに運用でき、ほとんどのダイヤル選局式FMラジオでも受信できる特長があります。そのため、災害時等においても、仮設住宅の集会所等に簡便に設置することができ、仮設住宅およびその周辺に居住するお年寄り等に向けて、音声アシストサービスを行う手段として期待できます。