情報通信研究機構(NICT)、宇宙航空研究開発機構(JAXA)および米国航空宇宙局(NASA)は、1997年11月28日に日米共同ミッションとして打ち上げられた熱帯降雨観測衛星(Tropical Rainfall Measuring Mission: TRMM)が、観測15年目の節目を迎えるのを記念し、公開シンポジウムを開催します。
TRMM衛星の15年に渡る長期間の降水データの蓄積は、熱帯・亜熱帯域の降水に関する科学的な知見を飛躍的に増やしました。さらに、その成果は、数値天気予報での現業利用や、TRMM衛星を中心とした複数衛星データによる全球降水マップの開発、その洪水予警報への利用といった、衛星降水観測による社会的な貢献にまで拡がりつつあります。
本シンポジウムでは、TRMM衛星が打上げ15年目の節目を迎えるにあたり、TRMM衛星のこれまでの科学的・社会的成果を総括し、2014年初めに主衛星を打ち上げ予定の全球降水観測(GPM)計画に向けた展望をまとめます。また、統合的水資源管理・危機管理における衛星リモートセンシング技術の適用について、TRMM衛星や最近運用を開始した第一期水循環変動観測衛星「しずく」(GCOM-W1)衛星による活用例を紹介すると共に、衛星が果たす役割や将来への期待に関する議論を行います。