独立行政法人情報通信研究機構(以下、機構という。)は、高度通信・放送研究開発において、その研究成果を用いた役務の提供又は提供の方式の改善により新たな通信・放送分野の開拓に資する研究開発を行う企業、大学等の研究機関に助成措置を講ずることにより、通信・放送分野における新規事業の創出を目的とした助成金交付業務を行っています。
この助成金の交付を受けた助成対象事業者に対する事業終了後に行われる評価(事後評価)については、外部の有識者による評価委員会を設置し、評価を実施しています。
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国の研究開発評価に関する大網的指針(平成20年10月31日 内閣総理大臣決定)に基づき、平成20年度の助成対象から助成対象事業終了時の成果の評価(事後評価)を積極的に公表することとしました。
概要説明
1.評価の目的
助成対象事業(研究テーマ)について目標の達成の程度、研究の成果を客観的に評価し課題があるか等を明らかにすることにより、その後の効果的な研究開発に反映させることを目的としています。
2.評価方法
研究開発の評価にあたっては、「国際共同研究助成評価委員会」を設置し、評価・審議を行っています。
評価は、助成終了時に助成対象事業者より提出された成果報告書をもとに書面での審査及び評価委員会の審議により行います。
なお、評価委員については任期を2年とし、再任を妨げないこととしています。
事後評価基準
1.評価基準等
次表に掲げる各評価項目について、5段階で採点し、可能な限り参考意見を付するものとする。
評価項目 | 評価基準 |
①達成度 | 助成対象事業者が遂行した助成対象事業が、目標(計画)どおり達成されたものであること。 |
②独創性 | 助成対象事業で得られた成果が、創意工夫を活かし、独創性に富んだものであること。 |
③有効性 | 助成対象事業で得られた成果が、内外の先進的な技術力が有機的に結合し、国際標準化の実現への貢献、知的財産の創出等、国際共同研究としての有効性が高いものであること。 |
④波及性 | 助成対象事業で得られたせいかにより創出される新規事業が、将来的に大きく成長する可能性があること、又は助成対象事業で得られた成果が、通信・放送技術として幅広く波及する可能性があること。 |
2.採点の段階及び基準
採点の段階 | 採点の基準 |
5 | 非常に優れている |
4 | 優れている |
3 | 普通である |
2 | やや劣っている |
1 | 劣っている |
3.総合評価基準
各評価委員の評価点をもとに評価項目毎の平均点を算出し、評価項目の平均点の合計より総合評価としてS、A、B、Cの4段階評価を行う。
評価 | 評価点(20点満点) | 評価レベル |
S | 16点以上 | 目標を大幅に上回って達成 |
A | 12点以上~16点未満 | 目標を達成 |
B | 8点以上~12点未満 | 目標をある程度達成したが、課題を残して終了 |
C | 8点未満 | 目標を下回り達成できず、多くの課題を残して終了 |
事後評価結果
平成23年度・24年度に実施した助成対象事業の事後評価結果
助成対象事業名 | 助成対象 事業者名 |
助成額 (単位:千円) |
総合 評価 |
新世代ネットワークに資するトラスタブルネットワークを実現する通信フレームワークの研究開発 ・成果報告書(概要版) |
大阪市立大学 (阿多 信吾) |
H23:7,447 H24:8,819 |
A |
新世代ネットワークのための自己組織型制御技術の研究開発 ・成果報告書(概要版) |
大阪大学 (若宮 直紀) |
H23:5,110 H24:6,747 |
B |
次世代高速無線システム用RFモジュール構成法の研究開発 ・成果報告書(概要版) |
鹿児島大学 (西川 健二郎) |
H23:12,972 H24:12,998 |
A |
印刷プロセスに基づくフレキシブル集積回路の低電圧動作 ・成果報告書(概要版) |
名古屋大学 (大野 雄高) |
H23:13,000 H24:13,000 |
S |
高次機能半導体フォトニックデバイスを用いた全光型パケットスイッチノードに関する研究 ・成果報告書(概要版) |
奈良先端科学技術大学院大学 (河口 仁司) |
H23:13,000 H24:13,000 |
S |
高性能電気光学有機分子をドープしたポリマ光変調器及び光スイッチの超低電圧駆動 ・成果報告書(概要版) |
広島大学 (榎波 康文) |
H23:13,000 H24:13,000 |
S |
平成22年度に実施した助成対象事業の事後評価結果
助成対象事業名 | 助成対象 事業者名 |
助成額 (単位:千円) |
総合 評価 |
地上および衛星センシングによる地殻変動のリアルタイム監視とその予測技術の開発(平成20~22年度助成) ・成果報告書(概要版) |
千葉大学 (服部 克巳) |
H20:12,597 H21:11,430 H22:12,633 |
A |
高性能電気光学有機分子をドープしたポリマ光変調器の超低電圧駆動(平成21・22年度助成) ・成果報告書(概要版) |
広島大学 (榎波 康文) |
H21:12,450 H22:12,450 |
A |
量子ビットとしての単分子磁石:スピンの制御 (平成22年度助成) ・成果報告書(概要版) |
東北大学 (米田 忠弘) |
12,008 | A |
スピン面発光半導体レーザに関する国際共同研究(平成22年度助成) ・成果報告書(概要版) |
奈良先端科学技術大学院大学 (河口 仁司) |
7,695 | A |
平成21年度に実施した助成対象事業の事後評価結果
助成対象事業名 | 助成対象 事業者名 |
助成額 (単位:千円) |
総合 評価 |
量子情報通信に向けた高効率単一光子源の研 究 ・成果報告書(概要版) |
筑波大学 (舛本 泰章) |
12,289 | A |
ULF/ELF電磁波を用いた地球環境の監視と予測 ・成果報告書(概要版) |
電気通信大学 (早川 正士) |
12,240 | A |
ナノワイヤアレイの創製とデバイス応用 ・成果報告書(概要版) |
独立行政法人 物質・材料研究機構 (若山 裕) |
10,184 | A |
超大容量無線LANのLSI化設計に関する研究開 発と国際標準化 ・成果報告書(概要版) |
(株)レイドリクス (尾知 博) |
9,536 | A |
平成20年度に実施した助成対象事業の事後評価結果
助成対象事業名 | 助成対象 事業者名 |
助成額 (単位:千円) |
総合 評価 |
ディジタルフォレンジックに関する研究開発 ・成果報告書(概要版) |
財団法人 九州先端科学技術研究所 (櫻井 幸一) |
660 | A |
量子情報通信に向けた高効率単一光子源の研 究 ・成果報告書(概要版) |
筑波大学 (舛本 泰章) |
12,220 | S |
次世代無線通信におけるアンテナ・伝播・カ イロシステム統合技術に向けた基盤研究 ・成果報告書(概要版) |
電気通信大学 (唐沢 好男) |
11,908 | A |
量子コンピューターに向けたトンネル電子に よる単一スピン検知操作技術の開発 ・成果報告書(概要版) |
東北大学 (米田 忠弘) |
11,076 | A |