- 光情報通信で利用する光周波数帯を開拓するために、近赤外域(波長1.0~1.3ミクロン帯)で動作する新たな光源を開発しました。
- これは、NICT独自のナノテクノロジーである半導体量子ドット技術等を用いることで実現した光源で、その波長を広帯域で変えることができ、さらに高い周波数精度及び安定度を持つ世界で初めての光源です。
- この光源を用いた光伝送実験に成功したことにより、光情報通信における新しい周波数・波長帯利用がより確実なものになるとともに、通信以外の分野での活用も期待されます。
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2015年1月5日
概要
特徴
技術比較例
量子ドット(本技術) | 光パラメトリック | 半導体 | |
波長 | 1000~1320nm | 680~1600nm | 1260~1375nm |
出力安定性 | ○ | × | ○ |
周波数安定性 | ○ | × | ○ |
多波長同時発生 | ○ | ×(不可能) | ×(不可能) |
コスト | ○ | × | △ |
知的財産(技術移転実績あり)
特開2010-109065 「ナノ構造体及びその製造方法」、特許第5504468号 「半導体量子ドット及ぴ同形成方法」、 特開2012-191075 「多光周波数発生光源」
社会還元の視点から
- 光情報通信分野: 新波長帯の広大な周波数資源
- 医療分野: 深い領域の生体画像診断、短時間測定による患者負担軽減、新たな分子種の計測など
- 光学部材・測定機器分野: 高精度、広帯域な測定、評価、光学部材の創出など
用語説明
量子ドット 【quantum dot】 リョウシドット
量子ドットとはナノメートルスケールの微小な粒で、半導体結晶で構成されています。この微小な構造を発光材料や光増幅材料として光デバイスなどに用いると、従来困難であった長波長・広帯域動作が可能となります。また、この量子ドット構造の光デバイスは低消費電力化などの低環境負荷・グリーン技術としても期待されています。さらには、太陽電池への応用や量子情報通信技術への応用も期待されています。