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令和5年度委託研究追跡評価結果(概要)
採択
番号
研究開発課題名 研究開発期間
(年度)
受託者
(◎印:代表研究者)
総合コメント
16901 Tバンド、Oバンドによる大波長空間利用技術の開発

副題 新規波長帯を開拓する基本コンポーネントの開発及び高度化
H25
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H29
◎学校法人慶應義塾
新しい光波長帯を開拓するために、量子ドットを用いた新しい波長可変レーザと、関連する光部品を開発して、一定の研究成果を得ている。フォトニクス技術の実用化研究としては、想定通りの果実を得たものだと言える。今後は、市場の動向を見ながら、社会実装を進められることを期待する。
また、学術的には多くの果実が得られ、新しい研究課題に繋がっている。日本が強みを持つ技術分野の強化に資するものだと言える。今後のさらなる発展を期待したい。
パイオニア・マイクロ・テクノロジー株式会社
光伸光学工業株式会社
株式会社オプトクエスト
17002 革新的光ファイバの実用化に向けた研究開発

副題 マルチコア光ファイバ技術と標準化指標の確立
H25
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H29
◎日本電信電話株式会社
本委託研究は、終了時にも計画時以上の成果があげられていたが、その成果をベースに研究開発期間終了後もMCF関連の研究は大いに進展をしている。また本委託研究は特に標準化への貢献が期待される取り組みであったが、委託研究期間中は提案が1件にとどまっていたところ、今回の追跡調査で複数の取り組みが進められていることが確認でき、さらに本委託研究を一部継承している他課題を含めて標準化に向けた取り組みも今後大いに期待できることがわかった。 特許申請・登録も多数行われており、招待講演を含む学術成果も多数獲得するなど、研究分野への貢献も大である。人材育成についても、本委託研究に産学から多数の組織が参画していたため、組織間の交流によって大いに貢献があったと推察される。データセンター内や海底ケーブルシステムへのMCFの導入が一部で始まっていることなどから、国際的な研究開発競争が世界的に激しくなっており、今後も本委託研究の成果を活かした実用化への取り組みが重要となる。
住友電気工業株式会社
株式会社フジクラ
古河電気工業株式会社
国立大学法人北海道大学
国立大学法人横浜国立大学
公立大学法人大阪府立大学
178A03 ソーシャル・ビッグデータ利活用・基盤技術の研究開発
課題A:ソーシャル・ビッグデータ利活用アプリケーションの研究開発
副題 ビッグデータの教育分野における利活用アプリケーションの研究開発
H26
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H29
◎国立大学法人九州大学
終了評価時においても、大学全体への適用という成果について高い評価がなされていたが、終了後も本運用として継続的に実施されているほか、研究成果も引き続き出されており、その効果の大きさが評価できる。ラーニングアナリティクスセンターの設立などの取組みも見られ、委託研究の成果が継続的に活用されている。今後は他大学への横展開など、事業化等に向けた取り組みが大いに期待される。
京セラ丸善システムインテグレーション株式会社
(~H27)
京セラコミュニケーションシステム株式会社
(H28~)
178B05 ソーシャル・ビッグデータ利活用・基盤技術の研究開発
課題B:新たなソーシャル・ビッグデータ利活用・基盤技術の研究開発
副題 ソーシャル・ビッグデータ駆動の観光・防災政策決定支援基盤の研究開発
H26
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H29
◎大学共同利用機関法人情報・システム研究機構国立情報学研究所
コロナ禍を経て、急激にAI技術の社会実装が進みつつある中、インバウンド回復傾向もあることから、いわゆる観光地での経済活動の勢いが取り戻されつつある。本研究ではその対象となる山梨と長崎、それぞれ観光地における人の動きを把握できるようにするための予備調査的なスタンスとして研究が進められてきた。いずれもバスの乗客やその移動に着目したデータ収集をする仕組みを確立し、それらをどうユーザに提示するかといった検討を実施した。その成果の付随的なエビデンスとしてWiFiアクセスログなどを用いて動静の可視化といったことが行われ、人の移動や推移といった視点からでの観光分野などへの応用は考えられるだろう。現状、いずれも調査にとどまっている点は残念ではあるが、データサイエンスなどの視点から取得された膨大なデータからどう読み解けるのか、あるいは効率的にどう活用できるのか、という点で分析を進め、また当該分野の若手育成などに継続的に取り組んでいただくことを期待したい。
大学共同利用機関法人情報・システム研究機構統計数理研究所
国立大学法人山梨大学
国立大学法人大阪大学
(~H27)
国立大学法人長崎大学
(H28~)
18001 自治体向け音声翻訳システムに関する研究開発

副題 自治体窓口業務に対応した音声翻訳システムとサービス化に向けた研究
H27
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R01
◎凸版印刷株式会社
成果を新たな商用のサービスとして展開している。
自治体での外国人対応窓口支援のサービスであるVoiceBizなどを2023年12月から提供している。大阪関西万博への協力を予定している。自治体のデジタル化は総務省のテーマとして相応しいものであり、ビジネスとしての市場規模だけでなく、社会的な価値を評価することが重要である。技術が急速に進歩している中での優位性をどのように確保し、社会に展開していくかは、NICT自身の課題でもある。
株式会社フィート

追跡評価は、「国の研究開発評価に関する大綱的指針」に基づき、委託研究終了後、数年経過してから(今回は3年後と5年後)、その波及効果や副次的成果等の把握、制度の改善等のために行う評価である。令和5年度追跡評価は、研究成果の実用化・標準化等が進展した社会的インパクトの大きさや、委託額等を考慮し、平成29年度と令和元年度に終了した委託研究課題のうち、上記5件を選定した。外部有識者による追跡評価は、研究期間終了後の成果展開等状況調査を基にして実施した。