高度通信・放送研究開発委託研究
研究評価 > 令和5年度 終了評価
令和5年度委託研究終了評価結果(概要)
採択 番号 |
研究開発課題名 | 研究 期間 (年度) |
受託者 (◎印:代表研究者) |
総合コメント | 総合 評価 |
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21801 | 高度自動運転に向けた大容量車載光ネットワーク基盤技術の研究開発 副題:多機能光集積回路を利用した高信頼大容量車載光ネットワークの研究開発 |
R2 | R5 |
◎学校法人慶應義塾 慶應義塾大学 |
本研究課題は、自動運転制御において重要となる車載センサデータのリアルタイム送信可能で、耐故障性・耐電磁干渉耐性に優れたネットワークの開発に成功している。厚膜シリコンを用いた低損失MD光回路の新規提案、耐熱性に優れた光ハーネスとモジュールの開発、SiPhON通信方式の考案とその実装、さらにはリアルタイム伝送と情報処理が可能なデモの実施など、当初の目標を十分に達成している。基本特許の出願や展示会への出展も行われ、研究成果の普及にも貢献している。
限られた予算の中で、論文数などの一部未達成の目標があるものの、それを上回る実用化に繋がる活動が展開されたことは特に高く評価される。本課題は、予算を超える研究開発活動を通して自動運転という将来の普及が見込まれる分野での実用化へ大きく貢献しており、社会的インパクトも期待される。
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S |
古河電気工業株式会社 | |||||
株式会社メガチップス | |||||
国立大学法人東京大学 | |||||
国立大学法人大阪大学 | |||||
222C01 | ウイルス等感染症対策に資する情報通信技術の研究開発 課題C アフターコロナ社会を形成するICT 副題:アフターコロナ時代の超多様性社会を実現するダイバーシティ・ドリブン・トランスフォーメーション技術の研究開発 |
R3 | R5 |
◎国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学 |
本研究課題では、地域の動的に変化する多様性を測り・分析し・利活用を進めることで感染症を含む様々な社会課題を解決し、継続的なイノベーションの創発を支援する技術を確立している。多くの研究開発項目で達成度が100%以上、もしくは100%近く到達しており、おおむね順調に研究がすすめられた。複数の実証実験を実施し、優れた学術成果も獲得している点で費用対効果も高いと評価する。研究成果のオープン化に取り組み、オープンデータ化、オープンソフトウェア化を行うことで普及に向けて適切な取り組みが行われた。知的財産に関しては、当初計画で出願1件の予定であったが、知的財産の取り組みよりも波及効果を考えてオープン化戦略を優先して研究開発が取り組まれた。本研究開発の成果は、感染症対策など、国民に身近な問題に対処できる可能性があることから、社会的インパクトと国民的利益に優れている。オープン化したデータ・ソフトウェアの普及、および、さらなる実証実験を重ねたうえで社会実装されることが期待される。
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S |
国立大学法人東京大学 | |||||
国立大学法人北海道国立大学機構 北見工業大学 | |||||
222C02 | ウイルス等感染症対策に資する情報通信技術の研究開発 課題C アフターコロナ社会を形成するICT 副題:多様な都市活動を支援する予測情報共有型時空間リソース有効活用技術の研究開発 |
R3 | R5 |
◎株式会社アイ・トランスポート・ラボ |
本研究課題では、モビリティサービスやオフィス・都市施設等に対する時空間リソースを安全・快適に利用するための人流モニタリング・予測技術と、それらの情報を共有した行動変容を促進する技術の開発に取り組んでいる。全ての開発項目で達成度が100%に到達し、複数の実証実験に取り組む研究計画は妥当で、実施体制も適切であった。特許出願や外部団体との連携など、社会実装に向けた活動も適切に行っており、今後の取り組みによって技術の普及が期待できる。外部発表の実施数の一部が目標を大きく下回るなど、学術面での取り組みがやや不十分であったので今後のさらなる成果発表に期待する。
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A |
国立大学法人東京大学 | |||||
国立大学法人東北大学 | |||||
LocationMind株式会社 | |||||
222C03 | ウイルス等感染症対策に資する情報通信技術の研究開発 課題C アフターコロナ社会を形成するICT 副題:新生活様式におけるコミュニティ形成のためのサイバーフィジカル空間共有基盤 |
R3 | R5 |
◎国立大学法人大阪大学 |
本研究開発では2つの異なる実証実験を実施し、社会実装に向けた一般参加者へのアンケートでも高い評価を得ており、優れた学術成果も得られている。特許出願も行っており、限られた予算で十分な研究成果が得られていることから、費用対効果に優れている。
目標はおおむね達成できており、社会実装が視野に入るところまで研究開発を進めることができている。新しいコミュニケーション手段を提供できる可能性があり、各要素技術は他の技術との連携も期待でき、社会的インパクトが大きく、十分な波及効果も期待できる。
以上のように、本研究開発は期限内に目標を全て達成して十分な成果を得ており、計画に従って適切に進められたと評価する。今後は社会実装に向けた取り組みを期待したい。
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S |
株式会社KDDI総合研究所 | |||||
国立大学法人奈良先端科学技術大学院大学 |
総合評価の評価点 S:非常に優れている A:適切である B:やや劣っている C:劣っている