高度通信・放送研究開発委託研究
研究評価 > 令和4年度 追跡評価
令和4年度委託研究追跡評価結果(概要)
採択 番号 |
研究開発課題名 | 研究 期間 (年度) |
受託者 (◎印:代表研究者) |
総合コメント |
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16301 | 光・量⼦情報通信⽤超伝導単⼀光⼦検出システムの⼩型化技術の研究開発 副題 ⼩型化2K冷凍システム |
H24 | H28 |
◎住友重機械⼯業株式会社 |
終了時評価における課題を克服し、SSPD信号を確実に検出可能なレベルまでに電磁ノイズを低減することに成功しており高く評価できる。本委託研究成果を適用した超小型2KGM冷凍機の製品開発を2022年5月に完了し、市場に投入している。これにより、超伝導光子検出器の実システムへの応用が加速されることが期待できる他、光子検出以外の低温システムへの応用も期待される。
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171A01 | エラスティック光通信ネットワーク構成技術の研究開発 課題A エラスティック超⾼信頼光NW設計技術 副題 グリーンで高信頼なエラスティックネットワーク設計を実現 |
H25 | H28 |
◎⽇本電信電話株式会社 |
本研究の成果の一部が事業運用されており、その適用効果として設備投資削減が見込まれており、実用化段階にある。また開発技術の一部を活用したサービスを国内外の顧客に対して提案活動を行い、White paperを発行しており、実用化に近い状況にある。知的財産やデファクト標準への貢献もあり、学術面・人材育成面でも貢献が認められる。現在、世界的に電力価格が高騰しており、本研究の成果である消費電力削減効果は社会的なインパクトが大きく国民生活に良い影響を与えることが期待できる。今後、オールフォトニクスネットワークに向けた研究開発がさらに進んでいくと、本成果の適用範囲や貢献分野がさらに拡大していくことが期待され、将来のさらなる展開が期待できる。
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富⼠通株式会社 | ||||
国⽴⼤学法⼈名古屋⼤学 | ||||
17601 | ⼤規模フラットネットワーク基盤技術の研究開発 副題 超高速光スイッチサブシテムと複数サービスを提供する弾力性のある光ネットワーク制御技術 |
H26 | H30 |
◎⽇本電信電話株式会社 |
学術的な貢献や特許取得の点では優れており、一部の技術項目においては継続して研究が実施されている。方式全体の実用化に向けてはデバイス面での課題も多く、NTTではIWON構想からも外れている。他方、一部の要素技術においては実用化の可能性は残っており、今後の進展に期待したい。
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富⼠通株式会社 | ||||
国⽴⼤学法⼈名古屋⼤学 | ||||
公⽴⼤学法⼈⼤阪府⽴⼤学 | ||||
国⽴⼤学法⼈⼤阪⼤学 | ||||
17701 | メッシュ型地域ネットワークのプラットフォーム技術の研究開発 副題 NerveNetの平時活⽤および実フィールド実証に関する研究 |
H26 | H28 |
◎⽇本ユニシス株式会社 |
委託研究終了後に研究成果に関する製品化が進められており、さらに今後新しい製品の販売が予定されるなど、実用化に向けた継続的な取り組みが行われている。期間終了後に学術的な取り組みも継続された。また、研究成果を応用して、港湾のスマート化に向けた研究開発に新たに取り組んでいる。新しい応用分野の開拓にも取り組んでいる点は評価できる。一方で、当初想定した自治体などでの実用化と終了時に期待された標準化については、大きな進展は見受けられない。研究分担者の取り組みはある程度継続されており、今後、代表研究者についても研究成果の実用化に向けたさらなる取り組みを期待したい。
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株式会社フィンチジャパン | ||||
ナシュア・ソリューションズ株式会社 | ||||
国⽴⼤学法⼈東北⼤学 | ||||
178D02 | ソーシャル・ビッグデータ利活用・基盤技術の研究開発 課題D 地域・社会課題解決のための異分野ソーシャル・ビッグデータの横断的利活⽤による近未来予測技術に関する研究開発 副題 現場の知、市⺠を有機的に組み込んだ次世代型市⺠協働プラットフォームの開発 |
H28 | H30 |
◎国⽴⼤学法⼈東京⼤学 |
本研究は終了評価において、その意義、活動内容、成果から非常に優れている(S評価)とされていた。今回の追跡評価においても、これらの成果をスタートアップ企業やコンソーシアム立ち上げを通じ、社会実装および展開について継続的に取り組んでいることが示されている。成果をまとめた学術論文も多数出ており、学術的にも高く評価できるプロジェクトであったと評価できる。
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合同会社 Georepublic Japan | ||||
⼀般社団法⼈社会基盤情報流通推進協議会 |
追跡評価は、「国の研究開発評価に関する大綱的指針」に基づき、委託研究終了後、数年経過してから(今回は3年後と5年後)、その波及効果や副次的成果等の把握、制度の改善等のために行う評価である。令和4年度追跡評価は、研究成果の実用化・標準化等が進展した社会的インパクトの大きさや、委託額等を考慮し、平成28年度と平成30年度に終了した委託研究課題のうち、上記5件を選定した。外部有識者による追跡評価は、研究期間終了後の成果展開等状況調査を基にして実施した。