高度通信・放送研究開発委託研究
研究評価 > 平成30年度 追跡評価
平成30年度委託研究追跡評価結果(概要)
採択 番号 |
研究開発課題名 | 研究 期間 (年度) |
受託者 (◎印: 代表研究者) |
総合コメント |
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132 | 次世代ドップラーレーダ技術の研究開発 | H20 | H24 |
◎株式会社東芝 |
NICTと気象研究所へ納入されたレーダが連続稼働実施中で、急速に発達する積乱雲を観測して強雨の事前観測に成功している。大阪府との実証実験で、雷雨の直前にアラーム通知し実際の避難に役立った事例等を蓄積し、さらに後継機である二重偏波フェーズドアレイ気象レーダをNICT/首都大/阪大/名大とともに開発して、首都圏での降雨観測を開始した。将来、ゲリラ豪雨や雷害などの直前通知が期待できる。さらに、文部科学大臣賞を受賞するなど、学術的にも高く評価されている。
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国立大学法人大阪大学 | ||||
14801 | 通信プロトコルの実装の安全性評価に関する研究開発 副題 形式手法によるプロトコル実装の検証技術と形式仕様に基づく網羅的ブラックボックス検査技術の開発 |
H22 | H24 |
◎独立行政法人産業技術総合研究所 |
プロジェクト終了後の発表を含めると論文数も標準的なものとなったと考える。テーマが継続的に展開し日仏共同研究に発展する等、国際的な活動に至っている。逆に言えば、オープンソースは、ツールとしては完成までには至らず、技術をよく知った人が使えるレベルと言える。今後は、ツールのユーザを増やす活動をしていかなければならないと考える。
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149ア01 | 新世代ネットワークを支えるネットワーク仮想化基盤技術の研究開発 課題ア 統合管理型ネットワーク仮想化基盤技術の研究開発 副題 フレキシブルにプログラム可能で状況に適応した多様なサービスを提供可能な進化型ネットワーク仮想化基盤技術 |
H23 | H26 |
◎日本電信電話株式会社 |
実証実験までこぎ着けたことは評価に値する。しかし、この手の研究成果は使われてこそ評価が上がるので、実験が一過性に終わったのは惜しい。NICTのテストベッドはJGN、StarBED、RISE、Joseからなるが、このプロジェクトの成果をRISEに組み込むような努力をするとよかったと思う。
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国立大学法人東京大学 | ||||
株式会社日立製作所 | ||||
日本電気株式会社 | ||||
富士通株式会社 | ||||
149イ01 | 新世代ネットワークを支えるネットワーク仮想化基盤技術の研究開発 課題イ サービス合成可能なネットワークプラットフォームの研究開発 副題 フレキシブルかつ容易にプログラム可能な進化型ネットワーク仮想化スライス構成プラットフォーム技術 |
H23 | H26 |
◎株式会社KDDI研究所 |
一部の成果が現場で使われており、またMVNOへの応用も考えているため、一定の評価はできる。トイブロックアーキテクチャは、NICTのテストベッド(JGN、StarBED、RISE、Joseからなる)に課題アとともに提供し、色々な人の評価を得たほうが完成度が上がると感じた。
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国立大学法人東京大学 | ||||
日本電気株式会社 | ||||
株式会社日立製作所 | ||||
16401 | THzギャップを埋める実時間THzカメラの研究開発 副題 THzアレイセンサ・カメラの感度の低周波化と多画素化 |
H24 | H26 |
◎日本電気株式会社 |
本委託研究の成果として、実際にTHzカメラとして製品化・商用化まで至ったことは評価に値する。これまで、66台の製品を国内外の主に研究開発機関に販売してきた実績も評価できる。他方、市場状況により、事業を中止したことは残念である。将来的にも重要な技術分野であり、長期的な視野に立ったフォローアップが必要である。
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追跡評価は、「国の研究開発評価に関する大綱的指針」に基づき、委託研究終了後、数年経過してから(今回は3年後と5年後)、その波及効果や副次的成果等の把握、制度の改善等のために行う評価である。平成30年度追跡評価は、研究成果の実用化・標準化等が進展した社会的インパクトの大きさや、委託額等を考慮し、平成24年度と平成26年度に終了した研究開発課題のうち、5件を選定した。外部有識者による評価は、研究期間終了後の成果展開等状況調査を基にして実施した。