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平成26年度委託研究終了評価結果(概要)
採択
番号
課題名 研究
期間
(年度)
受託者
(◎印:
代表研究者)
主な評価コメント 評価
149ア01 新世代ネットワークを支えるネットワーク仮想化基盤技術の研究開発

課題ア 統合管理型ネットワーク仮想化基盤技術の研究開発

~フレキシブルにプログラム可能で状況に適応した多様なサービスを提供可能な進化型ネットワーク仮想化基盤技術~
H23
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H26
◎日本電信電話株式会社
従事された研究者の研鑽は相当なものだった。①ハードを作成し、それをJGN‐X(*1)上で実証実験するだけでなく、海外のテストベッドとつないで運用上の問題も解決していることから、費用対効果は十分である。②研究論文数には若干少ないところもあるが、標準化、プレスリリース、展覧会出展が非常に活発で技術の波及に努めたことが分かる。また、課題ウへの技術情報提供というタスクもあったため、通常怠りがちなAPIのマニュアル等の付帯的作業も実施されている。これは、今後のプラットフォームの利用者には大変役に立つものである。
S
国立大学法人東京大学
株式会社日立製作所
日本電気株式会社
富士通株式会社
149イ01 新世代ネットワークを支えるネットワーク仮想化基盤技術の研究開発

課題イ サービス合成可能なネットワークプラットフォームの研究開発

~フレキシブルかつ容易にプログラム可能な進化型ネットワーク仮想化スライス構成プラットフォーム技術~
H23
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H26
◎株式会社KDDI研究所
従事された研究者の研鑽は相当なものだった①課題アを使っていくためのソフトウェア・ツールの開発が目標であったが、それをJGN‐X(*1)上で実証実験するだけでなく、海外のテストベッドとつないで運用上の問題も解決していることから、費用対効果は十分である。②研究論文数、標準化、プレスリリース、展覧会出展が非常に活発で技術の波及に努めたことが分かる。また、課題アと同様、課題ウへの技術情報提供というタスクもあったため、通常怠りがちなAPIのマニュアル等の付帯的作業も実施されている。これは、今後のプラットフォームの利用者には大変役に立つものである。
S
国立大学法人東京大学
日本電気株式会社
株式会社日立製作所
149ウ01 新世代ネットワークを支えるネットワーク仮想化基盤技術の研究開発

課題ウ 新世代ネットワークアプリケーションの研究開発

~ネットワーク誘導を利用した新世代コンテンツ配信アプリケーション~
H23
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H26
◎学校法人関西大学
①萌芽的段階からコンテンツ配信にターゲットを絞り数少ない国内プロジェクトとしてこの分野を牽引してきたことは高く評価する。②CDNサービスの高度化につながる技術であり、サービス化に期待する。また、それだけの技術的シーズを作り出し、マイグレーションも示し、かつ有効性を実証実験でも示せている。評価はSに近いAとする。
A
公立大学法人大阪府立大学
国立大学法人神戸大学
日本電気株式会社
149ウ03 新世代ネットワークを支えるネットワーク仮想化基盤技術の研究開発

課題ウ 新世代ネットワークアプリケーションの研究開発

~関係性メトリックに基づく新世代ネットワークアプリケーション~
H23
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H26
◎国立大学法人京都大学
①十分な研究成果が出ている。②色々アプリケーションを考えるのではなく、キラーアプリを出すことに注力すべきである。メールアカウントを公的、私的と持つことの多い政府関係者や産業界で活躍している人向けに、メール内容の関係性からToだけでなくFromも自動書き換えできる、あるいは書き換えを促すようなことができると良い。
A
国立大学法人電気通信大学
株式会社神戸デジタル・ラボ
149ウ04 新世代ネットワークを支えるネットワーク仮想化基盤技術の研究開発

課題ウ 新世代ネットワークアプリケーションの研究開発

~消費エネルギー最適化コンテンツ配信システム~
H23
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H26
◎学校法人慶應義塾
①慶應、日立の各々に限ると目標は達成されているので問題はないが、相乗効果が薄い。②標準化成果があること、JGNーX(*1)の仮想化テストベッドの良いユーザとしてフィードバックを加えてもいるため、波及効果もある。
A
株式会社日立製作所
149ウ08 新世代ネットワークを支えるネットワーク仮想化基盤技術の研究開発

課題ウ 新世代ネットワークアプリケーションの研究開発

~超分散分割保存された大容量コンテンツの即時配信システムの研究開発~
H23
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H26
◎日本電信電話株式会社
①アプリからのスライス制御の実施に関しては、もっとも密にやられていた。このプロジェクトがなければ、アプリからのClick(*2)の検証はできなかった。この意味では課題ア、イへのフィードバックとしての課題ウの位置づけ的に十分使命は果たした。②研究テーマ自体に戻って考えると、研究論文発表がないのが課題である。
A
学校法人慶應義塾
16201 軽量暗号プロトコルの省リソースデバイスに対する実装効率向上の研究開発

~プライバシ保護とセキュリティレベル切換えが可能なセキュアRFIDタグの実現~
H24
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H26
◎株式会社サイバー創研
当初の目標はクリアされており、十分な成果があがっている。先進的な技術や理論の上に回路などの成果物を実装しており技術水準は高い。従来の装置を利用できるチップとするなど普及への検討も行われている。 キラーアプリをユースケース分析によって明確にすることにより社会的に広く使われるようになることを期待する。
A
国立大学法人電気通信大学
株式会社日立製作所
16401 THzギャップを埋める実時間THzカメラの研究開発

~THzアレイセンサ・カメラの感度の低周波化と多画素化~
H24
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H26
◎日本電気株式会社
本研究開発は当初の数値目標を十分達成しており、世界的にも評価できる成果を上げている。多くの特許出願、学会発表・展示とともに国内外の研究機関との共同実験や情報交換を行うなど、戦略的な取り組みを行っており、費用に見合った成果が得られている。
実用化に関してはTHz技術の分野自体が未だ実用化に向けた基礎研究段階であり、本格的な実用化までには時間がかかる状況である。その状況下で本技術の実用化を図るためには、どの分野が本技術を必要としているかと言う開発目標の見極めが重要である。一方、THz技術開発の中で高感度のイメージングセンサへの要求は高まっており、そのような研究者の要望に合った装置の共同開発から市場を拡大していくのも一案であろう。
A
16601 脳や生体の動作原理に基づく光通信ネットワーク制御基盤に関する研究開発

~省エネで高信頼な自己組織型の光通信ネットワーク制御技術の研究開発~
H24
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H26
◎国立大学法人大阪大学
数値目標は達成されており、知的財産や論文も十分な成果を挙げているため、高く評価できる。特に、ITU-Tへの標準化活動については特筆すべき点の一つである。ネットワークの光パス制御としては、各種のヒューリスティックな手法やGA(*3)の適用などメタヒューリスティックな手法が提案されているが、それらとは一線を画するポテンシャルを秘めたアプローチであり、それゆえに計算時間の劇的な短縮効果が得られている点は魅力的である。その一方、よりきめ細やかな制御の洗練化も望まれる。災害などの重度なネットワーク障害に対する柔軟な対応という点は、通常運用している状況では注目度は低いものの非常時の備えとして国民への利益は大きく、実益としての成果が得られたプロジェクトである。
S
日本電信電話株式会社
(*1).Japan Gigabit Network eXtreme:機構が運用する新世代通信網テストベッド
(*2).システム開発用のモジュール型ソフトウェアのひとつ
(*3).Genetic Algorithm:遺伝的アルゴリズム
総合評価の評価点 S:非常に優れている A:適切である B:やや劣っている C:劣っている