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平成24年度委託研究終了評価結果(概要)
採択
番号
課題名 研究
期間
(年度)
受託者
(◎印:
代表研究者)
主な評価コメント 評価
132 次世代ドップラーレーダー技術の研究開発 H20
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H24
◎株式会社東芝
ほぼ計画通りに進み、実用レベルの装置の開発に成功している。現業のためのX帯の気象レーダのフェーズドアレイタイプは初めてであり、ビーム合成等にも工夫が凝らされた。高速走査により降水システムの時空間変動が明瞭に把握でき、突風などの監視により、被害防止に寄与できる。装置維持・保守も考慮されており実用性が高い。RF系の装備にも工夫がみられる。
偏波機能を持っていないことをカバーする工夫、地面クラッタ除去などに、未だ工夫の余地があると思われるが、これらは今後の開発目標であろう。
目標は十分に達成され、かつ、将来の利用が期待される新しいデータ提供の可能性を示している。
S
国立大学法人大阪大学
136 複数モダリティー統合による脳活動計測技術の研究開発 H20
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H24
◎株式会社国際電気通信基礎技術研究所
特許数、論文数、国民へ向けての情報発信等の数値目標は達成されており、基礎研究としての質の高さも十分であることから、研究目標は達成されたと考える。また、リハビリへの応用など、実社会に貢献可能な成果も出している。
しかし、世界で使われている他の技術と比べての明らかな優位性を示す比較検証が、やや弱いようである。また、リハビリ以外の実用化に向けた画期的な前進があったとは、言い難い。現実場面に近い状況での実験をさらに試みても良かった。
提案機関には、そこでの成果を上げる力量も十分あると思われ、今後の進展に期待したい。
A
137 新たな通信媒体を利用したサーフェイス通信技術の研究開発 H20
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H24
◎国立大学法人東京大学
エネルギーを平面内に閉じ込めて、効率の良いカップラーで取り出すという無線給電のユニークな方式であり、わが国が主導している点で注目される。論文、特許ともに当初の目標件数を達成しており、無線給電分野で最もアクティブな国際会議における最優秀論文賞の受賞など、高く評価できる。また、研究過程で見つかった課題を解決する提案がされている点も評価できる。
標準化については、YRPの中でサブグループを立ち上げるなど、今後の継続的な研究が期待される。また、実用化に向けたアプリケーションの明確化とそれを実現するための課題の整理も十分とは言えないが、当初の研究目標は達成されている。
A
日本電気株式会社
NECエンジニアリング株式会社
株式会社セルクロス
帝人株式会社
143ウ1 革新的な三次元映像技術による超臨場感コミュニケーション技術の研究開発

課題ウ 五感コミュニケーションの中核的要素技術の研究開発

~五感シアターの研究開発~
H21
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H24
◎公立大学法人首都大学東京
限られた研究期間と経費で、実際に五感シアターを開発し、視・聴・嗅・前庭感覚・足の動きなどの要素を組合せ、ストーリーに合せた各感覚の同期制御を実現し、2つの具体的なデモに仕上げている点は高く評価できる。
各デバイスに対する感覚評価を通し、重要な知見を見出しており、さらに検討を続けることで今後の発展が期待できる。五感の各感覚デバイスの個々での改良とは別に、シアター形式での五感提示について、何が本質的に大事なのか等を随時、検討していくことが必要と考えられる。
本研究は、基礎となる成果を得ており、さらに研究開発を継続し、実用化を目指して頂きたい。
A
日本電信電話株式会社
国立大学法人東京大学
143ウ2 革新的な三次元映像技術による超臨場感コミュニケーション技術の研究開発

課題ウ 五感コミュニケーションの中核的要素技術の研究開発

~シリコンコンサートホールを目指したリアルタイム音響レンダリング技術の研究開発~
H21
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H24
◎学校法人同志社
リアルタイム音響レンダラーのFPGA上での実現と音を出す実証実験まで行なっており、目標は十分に達成されている。シリコンコンサートホールの実現の観点からは、現状のアリゴリズムでは計算量の制約が大きく、次世代について、今後さらに精力的に進めて頂きたい。
コンサートホールに合わせた音響のリアルタイム生成、インタラクティブ変化は、超臨場感という観点からは、大変意義があるが、上限周波数、計算時間、空間の範囲等は、まだ制約がある。
音響レンダリングについて、ホールの設計者等の専門家には利用価値が高いと思われる。一方で、一般の人への成果還元の可能性について、簡易化したアプローチを含め、持続的に利用価値がある応用につなげていけるよう検討がさらに必要である。
A
国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学
国立大学法人東北大学
146ア01 革新的光ファイバ技術の研究開発

課題ア マルチコア光ファイバの設計方法および製造方法に関する研究

~マルチコア光ファイバの低損失および低非線形化の検討~
H22
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H24
◎日立電線株式会社
長尺化と損失の二点が目標に届かなかったが、損失については設定目標が高すぎたためと考えられ、概ね費用に見合った成果である。多くの試作を重ねて特性の向上を図っていくアプローチは評価できるが、クロストークについては理論的検討があれば、なお良かった。
国内特許出願数は非常に多いといえる。海外特許については、国内出願から一定の時期をあけてから出願されるとのことで、今後に期待したい。
研究開発のメインとなった分散補償線路を前提とした不均一マルチコアファイバについては、ユニークで面白いアイデアであるが、その優位性や適用範囲を示す必要がある。均一マルチコアファイバについても、今後の実用的展開を見越した課題の検討を進めていただきたい。
B
学校法人トヨタ学園
(再委託)
146ア02 革新的光ファイバ技術の研究開発

課題ア マルチコア光ファイバの設計方法および製造方法に関する研究

~将来の大容量伝送に対応するソリッド型マルチコアファイバの最適化検討、長尺試作による実用化のポテンシャル検討、およびマルチコアファイバの基本特性の評価~
H22
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H24
◎古河電気工業株式会社
大Aeff(実効断面積)かつ低クロストークの実現、19マルチコアファイバ、マルチチャネルOTDR(光パルス試験器)をはじめ、当初目標になかったマルチコアモード多重技術についても検討を行い、費用に見合った以上の成果が十分得られた。
19マルチコアファイバは、305Tbps・10km の伝送実験に使用されるなど、大きなインパクトを与えた。また、マルチチャネルOTDR もユニークな技術として評価できる。
研究の質・量は非常に優れていることから、これら成果の今後の学術論文化に期待する。
S
国立大学法人東北大学
(再委託)
146ア03 革新的光ファイバ技術の研究開発

課題ア マルチコア光ファイバの設計方法および製造方法に関する研究

~クロストークの条長依存性を考慮した高密度マルチコアファイバ~
H22
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H24
◎株式会社フジクラ
クロストークに関する検討、融着接続技術、12コア円環配置マルチコアファイバ、それを用いた1Pbps の伝送実験など、費用以上の成果が十分得られた。特に、クロストークに関する検討は基礎的かつ重要であり、今後の実用化、標準化に向けて高く評価できる。
課題イとの共同研究が有効に活用されている。また、特許出願が非常に多く、知的財産権確保も配慮されている。
0.1dB 以下の低損失融着接続技術や信頼性など、実用化に向けた技術開発も取組まれており、今後コスト低減や標準化などの課題に対して、更なる研究開発の推進を望む。
S
146ア04 革新的光ファイバ技術の研究開発

課題ア マルチコア光ファイバの設計方法および製造方法に関する研究

~マルチコア光ファイバの最適製法とコア間干渉低減法~
H22
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H24
◎三菱電線工業株式会社
PMD(偏波モード分散)を除いて目標を達成しており、実用化を見据えて接続を重視し非円形ファイバを検討するなど、他社にないユニークな研究でありクオリティも高い。
また、クロストークの検討で、計算値と実験値がほぼ一致することを確認したことは評価できる。外部発表・特許出願ともに、十分な取組みであった。
ファイバそのものも含め、コネクタ接続技術等に関しても標準化が重要であり、今後、本研究開発で得られた成果を基に積極的な活動を期待したい。
A
146ア05 革新的光ファイバ技術の研究開発

課題ア マルチコア光ファイバの設計方法および製造方法に関する研究

~低損失・低クロストーク・量産可能なマルチコア光ファイバの研究~
H22
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H24
◎住友電気工業株式会社
低損失化、大Aeff(実効断面積)化、低クロストーク化について総合的に研究開発に取り組み、世界初の109Tbps 伝送実験に7 コアマルチコアファイバが使用された。また、マルチコアファイバで0.17dB/km の低損失を達成、実用に向けた製造法についての検討など、費用対効果、知的財産権確保、成果発表とも十分なものであった。
今後は標準化やコスト低減に向けた製造技術など、更なる研究開発の推進を望む。
A
146イ 革新的光ファイバ技術の研究開発

課題イ マルチコア光ファイバの性能評価方法の研究および実用方式に向けての検討
H22
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H24
◎日本電信電話株式会社
目標を上回る多岐にわたる成果を挙げており、研究のクオリティも非常に高い。特に解析技術の確立による本研究分野への貢献は著しい。
また、本研究開発の課題ア「マルチコア光ファイバの設計方法および製造方法に関する研究」及び課題150「革新的光通信インフラの研究開発」との連携による成果の創出も評価できる。
特許出願・外部発表、ともに積極的な活動は大きく評価できる。
標準化活動においては、ITU-T において課題提起を行い、次会期の検討課題として合意されており、今後、本技術の標準化、さらには実用化に向けた更なる研究推進を強く期待する。
S
公立大学法人大阪府立大学
(再委託)
国立大学法人北海道大学
(再委託)
国立大学法人横浜国立大学
(再委託)
14801 通信プロトコルの実装の安全性評価に関する研究開発

~形式手法によるプロトコル実装の検証技術と形式仕様に基づく網羅的ブラックボックス検査技術の開発~
H22
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H24
◎独立行政法人産業技術総合研究所
C言語の形式的検証基盤や網羅的汎用ファジングテストを作り、PolarSSLのバグを形式検証で発見するなど、目標は達成している。ただし、学術論文、特許での成果はないため、その観点での評価はできない。
オープンソースで公開し、技術を普及させる必要がある。WEBページで公開するということなので、オープンソースの普及と合わせ今後の普及に期待したい。
A
株式会社レピダム
(再委託)
14802 通信プロトコルの実装の安全性評価に関する研究開発

~インターネットにおける隠蔽通信路の生成・検知・対策手法に関する研究開発~
H22
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H24
◎学校法人慶應義塾
隠蔽通信路は情報漏えいに対する新たな脅威であり、社会的にその脅威が十分認識されているわけではない。その意味では、研究分野の存在を示した活動と言え、成功である。
この研究は、この種の脅威の存在を社会に周知することが重要で、研究結果を解説論文で出すことを薦めたい。また、一部のツールは第3者に使われているため、オープンソースで公開し、技術を普及させる必要がある。この2点を確約してくれたため、それを前提に評価した。
安全性評価の有効性は十分でなく、まだ研究の余地があると考える。研究内容を考えると、もう少し標準化活動の比重を上げて広報活動に注力すべきだった。
A
総合評価の評価点 S:非常に優れている A:適切である B:やや劣っている C:劣っている