表紙写真及び左上の写真:量子セキュリティ・協創棟訪れる人、一人一人が自分のお気に入りの場所を見つけられ、繰り返し訪れるうちに自然とその場にいる人と交流が生まれ、会話やアイデアの交換が進むような空間作りをコンセプトに建てられました。サイバーセキュリティ研究所も一部を利用しています。誰も取り残さないサイバーセキュリティ1厳しさを増すサイバー攻撃 NICT のサイバーセキュリティへの取組は?盛合 志帆/井上 大介/園田 道夫4データ負けのスパイラルから脱却するための実践的サイバーセキュリティ研究笠間 貴弘/高橋 健志/井上 大介6安全なデータ利活用技術と量子コンピュータ時代に向けた暗号技術の安全性評価江村 恵太/篠原 直行/野島 良8誰一人取り残さないサイバーセキュリティの実現に向けて花田 智洋/島田 弘一/園田 道夫10サイバーセキュリティの結節点を目指して安田 真悟/井上 大介12安心・安全な IoT 機器の利用に向けた取組井上 大介/田沼 知行/盛合 志帆TOPICS13NICTのチャレンジャー File 22 長谷川 彩子ユーザに寄り添った、真に有用なセキュリティ対策システムの創出に向けてINFORMATION14けいはんなR&Dフェア2022 オンライン開催のお知らせ14受賞者紹介FEATURE柳田R&Dアドバイザーは、1998年以来、NICTにおいて、脳科学と情報科学を融合させた新しい研究分野を開拓するとともに、2011年に脳情報通信融合研究センター(CiNet)を設立し、この分野における世界的研究開発拠点形成を進めてきました。同氏は、半導体情報処理装置などの人工システムと比べて桁違いに小さなエネルギーで動作する筋肉や細胞の生体システムが、「熱ゆらぎ」を有効活用していることを世界に先駆けて解明し、工学技術へ応用可能であることを明確に示しました。この「ゆらぎ」原理が、脳の情報処理にも適用可能であることをCiNetにおいて示しました。さらに、CiNetのセンター長として、「CiNet Brainの構築」というセンターの共通目標を設定し、多様な脳機能を統一的に理解し、応用できる研究開発をすすめています。この中から、脳情報を読み解く技術、省エネルギーで耐障害性の極めて高い情報ネットワーク制御技術、無線技術を活用したブレーン・マシン・インターフェース開発などを実現しています。CiNetは、すでに、人間の脳を計測し解析する研究センターとしては世界的規模を有しており、わが国の有望な若手研究者を育成するだけでなく、国際交流の拠点として機能していいます。脳に学ぶ人工知能の研究にも取り組んでおり、心が通う情報通信技術の研究開発も進んでいます。このような柳田氏の独創的研究成果やリーダーシップは、恩賜賞・学士院賞受賞や文化功労者・学士院会員への選出など、多数の受賞等で国の内外から高く評価されています。柳田 敏雄(やなぎだ としお)NICT フェロー/未来 ICT 研究所脳情報通信融合研究センター R&Dアドバイザー NICTでは、職務として行った研究開発の業務において、 特に顕著な業績があると認められる者にフェローの称号を授与することとしており、令和4年5月26日、未来ICT研究所 脳情報通信融合研究センター 柳田敏雄R&Dアドバイザーに称号を授与いたしました。
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