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東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた実践的サイバー演習「サイバーコロッセオ」の実施について

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2017年12月7日

国立研究開発法人情報通信研究機構

NICTは、総務省と連携し、近年さらに高度化・多様化するサイバー攻撃に備え、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の適切な運営を確保することを目的として、大会関連組織のセキュリティ担当者等を対象とした、高度な攻撃に対処可能な人材の育成を行う実践的サイバー演習「サイバーコロッセオ」を、平成30年2月から実施します。

1 サイバーコロッセオ実施計画の策定について

現在、NICTは、政府のサイバーセキュリティ戦略等に基づき、総務省と連携し、国の行政機関、地方公共団体、重要社会基盤事業者(情報通信、金融、航空、電力、医療等13分野)等を対象として、NICTが有するサイバーセキュリティの技術的知見等を最大限に活かした実践的サイバー防御演習「CYDER」(サイダー)を開発・実施するとともに、未来のサイバーセキュリティ研究者・起業家の創出を目指し、若手セキュリティイノベーター育成プログラム「SecHack365」(セックハック365)を開始しています。
NICTは、これらに加え、高度かつ多様なサイバー攻撃を集中的に受けるおそれがある東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の適切な運営を確保することを目的として、大会関連組織のセキュリティ担当者等を対象とした、高度かつ多様な攻撃に対処可能な能力を有するサイバーセキュリティ人材の育成を行う実践的サイバー演習「サイバーコロッセオ」を、平成30年2月から実施します(※1)。
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催まで3年を切る中、NICTとしては、必要な能力を備えた人材を段階的・計画的に育成していくことを目的として、関係省庁、関係団体等と協議の上、今般、「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けたサイバーコロッセオ実施計画」https://colosseo.nict.go.jp/)を策定しました。

2 サイバーコロッセオのトレーニング内容について

国全体としての、東京2020大会に向けたサイバー攻撃対策は、監視・分析、情報共有、アセスメント、人材育成など多岐にわたりますが、このうちNICTは、NICTが有する大規模演習環境及び長年のサイバーセキュリティ研究による知見を活かした、実際の機器やソフトウエアの操作を伴う「実践的なトレーニング」を担当することとされています。

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サイバーコロッセオとしてNICTが実施する「実践的なトレーニング」とは、具体的には、以下のような内容となります。
①NICTが北陸StarBED(スターベッド)技術センターに設置する大規模高性能サーバー群(StarBED)を活用し、東京2020大会の公式サイト、大会運営システム等ネットワーク環境を忠実に再現した、仮想のネットワーク環境を構築します。
②この仮想のネットワーク環境上で、東京2020大会時に想定されるサイバー攻撃を擬似的に発生させることができるようにします。
③演習受講者(公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会のセキュリティ担当者等)は、この仮想のネットワーク環境の上で、実際の機器やソフトウエアの操作を伴って、本格的な攻防戦(※2)等を繰り返し実施することにより、能力開発を着実に進めていきます。攻防戦のほかにも、受講者の習熟度や担当業務の性質等に応じた多様な実践的トレーニング・プログラム(※3)を開発・実施していく予定です。
④演習受講者は、東京のコロッセオ演習会場(NICTイノベーションセンター(大手町))に集合し、NICTが設置する大容量回線(JGN)を通じて北陸StarBED技術センターに構築された仮想ネットワーク環境にリモート接続し、演習を実施します。

3 サイバーコロッセオの開催規模について

サイバーコロッセオは、東京2020大会開催までの3年間を通して継続的なトレーニングを実施します。回を経るごとにコンテンツを充実させていくとともに、参加人数についても段階的に規模を拡大していき、最終的には約220人のセキュリティ担当者等を育成する予定です。
<段階的な規模拡大(予定)>・・・のべ520名程度参加予定
・2018年2~3月開催:60名程度参加予定
・2018年9~10月開催:100名程度参加予定
・2019年7~8月開催:140名程度参加予定
・2020年5月(直前期)開催:220名程度参加予定
 
 

※1 「サイバーコロッセオ」は総務省を事業主体として平成28年度(平成29年2~3月)に初めて実施された演習であり、その際NICTは大規模演習環境のみ提供しましたが、平成29年4月1日に、NICT内に、実践的なサイバートレーニングを企画・推進する組織である「ナショナルサイバートレーニングセンター」(センター長 園田 道夫)が新設され、CYDERの開催規模の大幅拡充等を図ることとなったことに伴い、サイバーコロッセオについても、演習内容の更なる高度化・多様化や、大会までの計画的・安定的な実施を確保するため、その事業主体が総務省からNICTに変更されることとなりました。
※2 攻防戦とは、受講者が複数チームに分かれ、自組織のネットワークの守備と他チームのネットワークへの攻撃を両方体験することで、攻撃者側の視点をも踏まえたハイレベルな防御手法の検証及び訓練を行う演習です。
※3 攻防戦のほかに、フォレンジックやバイナリ解析の速さ等を競うコンテスト形式の演習などを開発する予定です。また、受講者の習熟度に応じて初級中級者向けのコースも準備します。



本件に関する問い合わせ先

○コロッセオ実施計画全体について
ナショナルサイバートレーニングセンター

井田 俊輔
Tel: 042-327-5612
E-mail:

○トレーニング内容の詳細について
ナショナルサイバートレーニングセンター
サイバートレーニング研究室

衛藤 将史
Tel: 042-327-5573
E-mail:

広報

広報部 報道室

廣田 幸子
Tel: 042-327-6923
Fax: 042-327-7587
E-mail: