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平成28年度新規委託研究(3課題)の受託者を決定

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2016年6月21日

国立研究開発法人情報通信研究機構

NICTは、平成28年度から新たに研究開発を開始する委託研究開発3課題について、下記のとおり受託者を決定しました。

 記

1. 研究開発課題と受託者(○印:代表研究者)

(1) 未来を創る新たなネットワーク基盤技術に関する研究開発(6件を採択)
研究期間:平成28年度から平成32年度まで(5年間)
提案課題:IoTインタネットを支えるプライバシー保護ルーティング・輻輳制御技術
概要:IoTデバイスを位置などの属性で指定し、プライバシー情報を含むセンサデータの安全な収集を可能とするルーティング、輻輳制御技術を開発します。マルチキャストと属性ベース暗号を組み合わせて、プライバシーを損なうことなくセンサデータを収集する属性ルーティング技術を、さらに、実時間のクラウドソーシングに向け、輻輳を発生させずに大量データを収集可能とするマルチパス輻輳制御技術を開発します。これにより、400万台規模のIoTデバイスの検索とセンサデータの収集を可能とする、セキュアで実時間のIoTベースのクラウドソーシングを実現します。
受託者:○国立大学法人大阪大学
パナソニック株式会社
 

提案課題:時空間ダイナミクスの記述を可能とする拡張Bow-Tie構造に基づく進化発展可能なネットワーク化情報処理基盤アーキテクチャの創出
概要:NFVに代表される仮想化技術に基づいたネットワーク化情報処理基盤を実現するために、生物システムにおけるBow-Tie構造を拡張し、進化発展可能なネットワーク化情報処理基盤アーキテクチャの設計原理を確立します。その有効性を、既存アーキテクチャにより、検証するとともに、NFVを対象とした実験により、確認します。さらに、センシングに基づいてフィードバック制御までをリアルタイムに行う、拡張現実感サービスの実装を通して実証します。
受託者:○国立大学法人大阪大学
 

提案課題:社会インフラ高度化を促進する脳情報処理機構に基づくネットワーク基盤の研究開発
概要:従来のトラヒック観測情報から事前に決定された目的関数で最適化を行う固定的なネットワーク制御ではなく、観測情報からその背後に潜むネットワーク状態やトラヒック生成要因を動的に推定・予測し、予測情報から目標値に逐次的に漸近する脳の情報処理機構に基づいた革新的ネットワーク制御方式を確立します。さらに、ネットワーク状態の要因として推定する実世界情報を用いて、ネットワーク上で動作するIoTアプリケーションと連携する技術を開発し、社会インフラ高度化促進を目指します。
受託者:○日本電信電話株式会社
国立大学法人大阪大学
 

提案課題:高密度,高モビリティおよび超多数ノードを収容できるワイヤレスネットワーキング法の研究開発
概要:個々のノードの位置やモビリティを解析することにより、高密度(ノード密度<1名/m2)、高モビリティ(ノード速度<10m/秒)及び超多数(ノード数<1,000ノード)という特徴を持つグループからデータを一箇所のノードで高頻度(データ取得頻度<10秒)、高信頼(データ非収集率<1%)及びリアルタイム(遅延<2秒)に収集できるワイヤレスネットワーキング法、並びに、それを実現するためのノードの高精度位置推定法を研究開発します。
受託者:○公立大学法人大阪市立大学
学校法人関西大学
学校法人明治大学
沖電気工業株式会社
株式会社シンセシス
 

提案課題:IoTの将来環境を創るセキュアで省電力な網内自己学習型ネットワーキング技術
概要:将来IoT環境では超多数のIoT機器によるデータ爆発とそれに伴う電力消費やプライバシーの社会問題化が懸念されます。本提案開発では、エッジ側のIoT機器が連携動作することで、これまでデータセンターで実行されていた深層学習などのデータ処理・学習機能を端末連携で自律分散的に実現します。これを省電力プロセシング技術及び軽量セキュア転送技術で動作させ、省電力性・安全性を実現します。1ビットあたりのデータ処理に必要な電力をクラウド比で1/100に削減する省電力 IoTデータ処理基盤を設計します。
受託者:○国立大学法人大阪大学
株式会社KDDI研究所
国立大学法人奈良先端科学技術大学院大学
 

提案課題:防災・減災学的知見に基づくICTシステムの知的化に関する研究開発
概要:IoT時代を支える将来ネットワークは、障害・災害発生時に機能維持・回復を自律分散協調して実行する知能を備えた知的ICTシステムであることが必要です。既存のネットワーク並びに2020年までの研究開発動向を見渡した限りでは、ネットワークを構成する装置を遠隔制御するための手段の自動化に関する技術・研究開発が主流となっている一方、ネットワーク自身の知的化に必須な動的機能設計等に相当する理論・技術に関するものは皆無です。本研究開発では、防災・減災学的知見を機能設計に取り入れ、理論モデルの構築から着手し、自己最適化と分散協調を軸とした基盤技術を確立することにより、ネットワークの知的化の実現性を示すことを狙いとします。
受託者:○国立大学法人東北大学
 

(2) 衛星搭載光通信用デバイスの国産化及び信頼性確保に関する研究開発
研究期間:平成28年度から平成30年度まで(3年間)
提案課題:衛星搭載光通信用デバイスの国産化及び信頼性確保に関する研究開発
概要:今後の国内標準、更にはグローバル標準となる規格制定を目標とした光通信用デバイスに関するスクリーニングプロセスを確立し、その基準に基づき、候補となる高性能な国産光通信デバイス個々の環境耐性や信頼性を確認し、海外メーカから提供されているデバイスよりも、光学性能、質量、大きさ、消費電力、価格、納期等の面で、競争力あるキーデバイス確保を目指します。選定したデバイスは、光送受信器プロトタイプに搭載し、将来的に軌道上実証することで、国際競争力を確保します。
受託者:○日本電気株式会社
 

(3)Web媒介型攻撃対策技術の実用化に向けた研究開発
研究期間:平成28年度から平成32年度まで(5年間)
提案課題:Web媒介型攻撃の網羅的な観測・分析に基づくユーザ環境のセキュリティ高度化
概要:現在、Webサイトを改ざんして攻撃サイトを構築し、当該サイトへアクセスしてきた利用者を攻撃するWeb媒介型攻撃が深刻な問題となっています。Web媒介型攻撃は、脆弱性攻撃手法等の開発や流通、脆弱サイトの探索や攻撃サイトの構築、攻撃サイトへのエンドユーザの誘導と乗っ取りといった一連の不正活動から構成されると考えられます。本研究課題では、表面化しているWeb媒介型攻撃のみならず、一連の不正活動を網羅的に観測、分析することによって、攻撃の構造を正確に把握し、攻撃サイト等を効率的に検出することで、利用者を保護する技術を確立することを目的とします。
受託者:○株式会社KDDI研究所
株式会社セキュアブレイン
国立大学法人横浜国立大学
国立大学法人神戸大学
株式会社構造計画研究所
国立大学法人金沢大学
国立大学法人岡山大学
 

2. 公募等の概要

上記課題について、(1)「未来を創る新たなネットワーク基盤技術に関する研究開発」は、平成28年1月12日(火)から平成28年2月29日(月)まで、(2)「衛星搭載光通信用デバイスの国産化及び信頼性確保に関する研究開発」及び(3)「Web媒介型攻撃対策技術の実用化に向けた研究開発」は、平成28年2月3日(水)から平成28年3月31日(木)まで公募を行いました。
NICTは、学識経験者で構成される評価委員会(別紙)の評価を経て、受託者を決定しました。
研究開発課題の概要は、以下のWebページをご参照ください。



別紙

高度通信・放送研究開発委託研究評価委員会 委員名簿

(平成28年4月現在)
(委員は五十音順・敬称略)
氏名 大学 所属 肩書
委員長
村上 仁己
成蹊大学 理工学部 情報科学科 非常勤講師
元教授
青山 友紀 慶應義塾大学 理工学部 訪問教授
浅見 徹 東京大学 大学院 情報理工学系研究科 教授
石川 佳治 名古屋大学 大学院 情報科学研究科 教授
今井 浩 東京大学 大学院 情報理工学系研究科 
コンピュータ科学専攻
教授
宇髙 勝之 早稲田大学 理工学術院 基幹理工学部 
電子光システム学科
教授
枝松 圭一 東北大学 電気通信研究所・情報デバイス研究部門
量子光情報工学研究分野
教授
神谷 武志 大学改革支援・
学位授与機構
  名誉教授
北川 博之 筑波大学 システム情報系 教授
栗城 眞也 北海道大学 電子科学研究所 名誉教授
佐々木 良一 東京電機大学 未来科学部 情報メディア学科 教授
佐藤 誠 首都大学東京 システムデザイン研究科 客員教授
三瓶 政一 大阪大学 大学院工学研究科 電気電子情報工学専攻 教授
重野 寛 慶應義塾大学 理工学部 情報工学科 教授
神保 泰彦 東京大学 大学院 新領域創成科学研究科 教授
戸田 裕之 同志社大学 理工学部 電子工学科 教授
富田 章久 北海道大学 大学院 情報科学研究科 教授
松島 裕一 早稲田大学 研究戦略センター
グリーン・コンピューティング・システム研究機構
教授
機構長
水野 皓司 東北大学 電気通信研究所 名誉教授
安岡 義純 防衛大学校 電気情報学群 電気電子工学科 名誉教授
吉田 淳一 千歳科学技術大学 理工学部 グローバルシステムデザイン学科 教授
(以上21名)



公募に関する問い合わせ先

オープンイノベーション推進本部
イノベーション推進部門 委託研究推進室

谷口 和彦、小西 良明
Tel: 042-327-6011
Fax: 042-327-5604
E-mail:

広報

広報部 報道室

廣田 幸子
Tel: 042-327-6923
Fax: 042-327-7587
E-mail: