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情報通信研究機構と首都大学東京の連携推進に関する協定を締結

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2010年4月26日

独立行政法人情報通信研究機構(宮原秀夫理事長:略称NICT)は平成22 年4 月22 日(木)、首都大学東京(原島文雄学長)と「首都大学東京と独立行政法人情報通信研究機構との情報通信分野における連携推進に関する協定」を締結しました。

また、本協定調印式に引き続き、第1 回情報通信研究機構・首都大学東京の合同ワークショップを開催しました。

NICT と首都大学東京は、情報通信分野における研究開発や教育・人材育成等で幅広い相互協力をめざした連携協定を締結することに合意しました。両機関は、これまで生体電磁環境、電離圏観測、宇宙通信等の個別研究分野で共同研究や研究者・研修生の交流を実施してきました。また、連携大学院制度のもとで教育・研究の連携も進めてきました。今回、これらの個別的な連携を組織的な連携へ発展させ、共同研究、研究者交流等を一層積極的に推進し、我が国の情報通信技術のさらなる発展に寄与いたします。

調印式(宮原秀夫理事長と原島文雄学長)
これまでの協力実績

  • NICT は、その前身である電波研究所、通信総合研究所(CRL)時代から現在まで、首都大学東京及びその母体となった東京都立大学、東京都立科学技術大学とは多数の研究者交流実績があります。大学から、連携大学院制度等の下で研修生を受入れ、大学教員を招へい専門員や特別研究員等として迎えてきました。NICT からは、客員教員や非常勤講師として研究者を派遣し、教育・研究指導に協力してきました。これらの教育・研究分野での連携を通じて、人材育成、研究成果の社会への普及に貢献してきました。

  • NICT と首都大学東京との間の研究協力は、生体電磁環境、電離圏観測、宇宙通信等と多岐の分野にわたり、これまでにも様々な成果をあげてきました。特に生体電磁環境の分野では、世界発の女性数値人体モデルの共同開発、国際癌研究機関による国際疫学調査の一環として、ばく露評価を共同で実施するなど、その成果は国際的な注目をあびています。

  • その他、国際会議、学会、研究会等で個々の研究者同士密接な協力関係にあります。

協力を検討していく研究・活動例

上記の協力実績を背景として、以下のような研究課題に関して具体的に実行していく予定です。

  • 共同研究実績のさらなる進展
    • 「生体電磁環境に関する研究」では、今後の利用拡大が予想されているミリ波帯やRFID 等での利用が拡大している中間周波数帯の電磁界ばく露評価技術についての研究を進めます。
    • 「将来の衛星通信技術に関する研究」では、我が国の宇宙開発環境の変化に対応して、今後数年から10 年程度にわたる我が国の衛星通信技術の研究開発の方向性を検討するとともに、次期通信衛星プロジェクトとしての超高速通信衛星及び衛星通信システムの技術課題に関して共同研究を行います。
  • 両機関の得意分野の融合による共同研究の発展
    • 「下部電離圏観測によるスポラディック E 層発生メカニズムの解明に関する研究」では、NICT が長年培ってきた電波を用いた電離圏観測と、首都大学東京の持つライダーによる中性大気ダイナミクス、ロケットによる観測を融合させて、無線通信や放送に大きな影響を与えるスポラディックE 層の発生メカニズムの解明に取り組みます。
    • 「光とマイクロ波を用いた超小型原子時計の研究開発」では、小型で高性能な周波数標準の実現を目指し、NICT の光領域およびマイクロ波領域での周波数標準技術と首都大学東京における圧電素子制御技術とを結集し、将来の超小型原子時計の実現に向けた研究開発を進めます。
    • 「半導体ナノ構造材料と光デバイス開発」では、互いに培ってきた半導体ナノ構造作製技術を結集して、より高性能な光通信用デバイスを実現するための研究を進めます。
      具体的には半導体量子ドットを用いた低消費エネルギーの光デバイスの基礎研究を進めます。

<本件に関する 問い合わせ先>
研究推進部門成果発展推進グループ
小峯 隆宏

Tel:042-327-5860
Fax:042-327-6866
E-mail:

<取材・広報 問い合わせ先>
総合企画部広報室
報道担当 廣田 幸子

Tel:042-327-6923
Fax:042-327-7587
E-mail: