本文へ
文字サイズ:小文字サイズ:標準文字サイズ:大
  • English Top

図鑑から絵を取り出して手元で立体的に観察できるgCubik+iの開発に成功

〜 2次元から3次元の世界へ、映像の移動が瞬時に目の前で 〜

  • 印刷
2009年7月30日

独立行政法人情報通信研究機構(以下「NICT」という。理事長:宮原 秀夫)は、キューブ型メガネ無し立体映像ディスプレイgCubikを用い、図鑑から絵を取り出して、手元で観察するかのように、印刷やディスプレイ上の2次元の映像メディアから、3次元の世界へ立体的に映像を取り出し、インタラクティブに対話操作が可能なシステムgCubik+i(ジーキュービック・アイ)を開発しました。

背景

NICTけいはんな研究所ユニバーサルメディア研究センターでは、高い臨場感を取得・再生可能な様々なコミュニケーション技術の研究開発を進めており、手が届く程度の近い距離でのコミュニケーションツールとして、キューブ型のメガネ無し立体映像ディスプレイ「gCubik」を提案しています。gCubikは、キューブ状のガラスケースの中にモノが閉じ込められているかのような立体映像を観察可能なディスプレイで、何人でも同時に、360度どんな方向からでも箱の中に立体映像を見ることができます。

今回の成果

コミュニケーションツールgCubikの応用例として、図鑑に表示されている情報を手元に取り出して、立体的に観察できるシステム「gCubik+i」を開発しました(図1)。gCubikと平置きした液晶モニタで構成される今回の開発例では海の図鑑をモチーフにしており、モニタ上には何種類かの生き物が水の中にいるかのようにCGで表示されています。観察したい生き物にgCubikを重ねると、キューブの中に生き物が移動し、立体映像として手元で観察することができます。また、gCubikを振れば箱から追い出すことができ、別の生き物を手に取ることができます(図2、図3)。システムはモニタの代わりに印刷物を用いることも可能で、従来の印刷メディアから動きのある立体映像を取り出すような体験もできます。

従前は、あらかじめ計算しておいた特定の立体映像しか表示できませんでしたが、今回、新しく開発した立体映像生成アルゴリズムにより、gCubikに立体映像を実時間で計算して表示することに成功しました。これによって、瞬時に異なるモデルや動きのある立体映像を表示できるようになっただけでなく、タッチパネルや加速度センサなどの入力情報を使って、モデルを回転させたり、動かしたりといった対話操作が、さらに、自由自在にできるようになり、gCubik+iのようなアプリケーションの展開が容易になりました。

今後の展望

この技術の開発により、インターネットショッピングでモニタに表示されたカタログから情報を取り出して手元で立体的な商品を観察できるだけでなく、印刷された図鑑と立体的な映像メディアを組み合わせた教育など、様々なアプリケーションへの展開が期待できます。

成果展示

本システムは、米国ニューオーリンズで開催される「SIGGRAPH 2009 Emerging Technologies」(2009年8月3日~7日)及び東京・秋葉原で開催される「NICT超臨場感コミュニケーションシンポジウム」(2009年8月26日)に展示いたします。また、上記の期間以外は、情報通信研究機構けいはんな研究所(京都)にて、ご見学いただけます。見学を希望される方は、下記の超臨場感システムグループ又は広報室までご連絡下さい。

補足資料

図1 gCubik+iによる図鑑とのインタラクティブな対話操作
図1 gCubik+iによる図鑑とのインタラクティブな対話操作

図2  図鑑と映像をやりとりする課程
図2 図鑑と映像をやりとりする課程
図3  熱帯魚を手に取った様子
図3 熱帯魚を手に取った様子



本件に関する 問い合わせ先

ユニバーサルメディア研究センター
超臨場感システムグループ
吉田(俊)、ロペス・グリベール

Tel: 0774-95-2641
Fax: 0774-95-2647
E-mail:

広報関係 お問い合わせ先

総合企画部 広報室
報道担当 廣田 幸子

Tel: 042-327-6923
Fax: 042-327-7587
E-mail: