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Interop Tokyo 2009クラウドコンピューティングコンペティションに世界有数の大規模テストベッドを提供

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2009年6月4日

独立行政法人情報通信研究機構(以下「NICT」という。理事長:宮原 秀夫)は、Interop Tokyo 2009[6月8日(月)~12日(金)]の「クラウドコンピューティングコンペティション」(以下「クラウドコン」という。)に、NICT北陸リサーチセンターが開発した大規模テストベッド設備である通称StarBEDを提供します。今回は、来るべきクラウドコンピューティングの時代を見越して、次世代のクラウドコンピューティング技術のテストベッドにおける技術要件を探るため、StarBEDのクラウドコンピューティング技術への適用を試みます。クラウドコン応募者は、StarBED上に自由に各々の新たなクラウドコンピューティング環境を構築し、技術を競います。幕張メッセのクラウドコン会場からは、会場ネットワークShowNetとStarBEDをJGN2plusを用いて接続し、遠隔でのライブデモンストレーションを可能にします。

背景

NICT北陸リサーチセンターでは、インターネットやユビキタス環境の実験・検証のため、大規模で汎用のシステム研究開発用テストベッドとして、StarBEDを研究開発してきました。StarBEDは、およそ1000台のPCクラスタ(参照:補足資料)で、独自開発のミドルウェアSpringOSを利用して、ユーザの望むネットワークを自由に作り出し、ユーザの用意する様々な実験・検証を行うことができます。今回は、来るべきクラウドコンピューティングの時代を見越し、クラウドコンの応募者がそれぞれのクラウドコンピューティング技術を検証・デモンストレーションする場として、このStarBEDを提供します。

ポイント

クラウドコン応募者は、世界有数の規模を誇る研究開発用テストベッドStarBEDで、実際に利用されるネットワーク環境に近い規模や複雑さを持つクラウドコンピューティング環境を自由に構築が可能。

Interop Tokyo 2009の最先端の実稼働ネットワークShowNetとStarBEDを超高速・高機能研究開発用テストベッドネットワークJGN2plusで接続することで、幕張メッセにいながらにして、クラウドコンピューティング技術の未来を検証・ライブデモンストレーションが可能。

ご案内

クラウドコンでは、2009年6月11日(木)に幕張メッセの会場で、「超分散ストレージ」や「仮想クラウド」など、新たな地平を切り開くクラウドコンピューティング・テクノロジを10組のチームが競います。詳細は、次の「Interop Tokyo 2009クラウドコンピューティングコンペティション」Webページをご覧下さい。

補足資料

StarBEDの各機器の台数と仕様
StarBEDの各機器の台数と仕様
※G-1、G-2は、北陸先端科学技術大学院大学から共同研究のため貸与されているもの。


StarBEDは多数のPCサーバから構成されており、仕様によってA-Hまでのグループに分かれています。各グループのPCサーバの仕様と台数は下表のとおりです(2009年6月1日現在)。なお、今回のクラウドコンではグループA、F、G-1、G-2、Hを利用する予定です。

用語解説

Interop Tokyo

「企業が必要としている最適なネットワーク環境の実現に不可欠な最新の基盤技術・製品群と、それを用いたソリューションを展示し、新たなビジネスチャンスを掴むための“ 出展社と来場者の最適なマッチング ”を提供する」をテーマに、毎年幕張メッセにて開催されている展示会で、最新・最良のネットワーク環境を提示するイベントネットワーク「ShowNet」、注目テーマをピックアップする主催者展示企画「パビリオン」に加え、毎年のネットワーク業界の注目のテーマに特化した基調講演/コンファレンスなどが行われています。詳細は、次のWebページをご覧下さい。

クラウドコンピューティングコンペティション

Interop Tokyo 2009において、クラウドコンピューティングコンペティション実行委員会が主催する、今回初めて開催されるクラウドコンピューティング技術に関する競技会です。他のビジネスショーには見られない最先端の実稼働ネットワークにおけるライブデモンストレーションと製品展示が行われるInterop Tokyoの場を利用して、若い多くのエンジニアが、クラウドコンピューティング・テクノロジに触れ、自らコードを書いて試せる環境を提供し、その環境を利用した競技会を行います。今回は自由課題で参加者を募集し、応募者には会場にて各々のクラウドコンピューティング技術についてライブデモンストレーションを実施してもらい、技術を競います。NICT北陸リサーチセンターは、特別協力として、クラウドコンピューティングコンペティションに参画し、StarBEDをクラウドコンピューティング環境を構築する場として提供します。

StarBED

NICT北陸リサーチセンターが2002年4月より研究開発を進めてきたインターネットやユビキタス環境に関連する技術やシステムの実験を行うための大規模汎用テストベッドです。2009年6月1日現在、実験用のPCサーバ1070台とそれらをつなぐ、構成変更可能なネットワークスイッチ8台から構成されています。詳細は、次のWebページをご覧下さい。

なお、今回のStarBEDのクラウドコンピューティング技術への利用は、次世代のテストベッドに向けた技術要件を探るための試験的なもので、現行設備やミドルウェアはクラウドコンピューティング技術の本格的な検証に対応している訳ではありませんが、クラウドコンでの基礎的な技術検証・デモンストレーションには差し支えありません。

また、StarBEDはNICT内部及び共同研究での実験に利用するための設備で、一般の利用者による利用は受け付けておりません。共同研究等のお問い合わせは、次のWebページをご覧下さい。

ShowNet

Interop Tokyoの会場ネットワークで、最新・最良のネットワーク環境を提示するイベントネットワークとして最先端のネットワーク機器を実際に稼働させて利用できるようにし、ライブ展示しています。

JGN2plus

NICTが2008年4月から運用しているオープンな研究用の超高速・高機能研究開発テストベッドネットワークです。

SpringOS

StarBEDのような大規模クラスタのPCやネットワークなどの資源や設定、実行状態を管理するために、NICT北陸リサーチセンターで独自に開発したミドルウェアです。独自の言語で記述するだけで、各PCサーバをどのネットワークに接続するか、どんなOSで起動するか、何をどのタイミングで実行するのかといったことを簡単に制御することができるようになります。

 

本件に関する 問い合わせ先

北陸リサーチセンター

担当:宮地、三輪、福地
Tel :0761-51-8118
Fax:0761-51-8177
E-mail:

広報 問い合わせ先

総合企画部 広報室

報道担当 廣田 幸子
Tel:042-327-6923
Fax:042-327-7587
E-mail: