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NICTの無線モジュール「NICT Hyper Wi-SUN 3」がWi-SUNアライアンス認証を世界で初めて取得!

Wi-SUN規格無線機の相互接続試験の「標準器」として利用される見通し

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2014年2月18日

2014年1月、NICTが開発した無線モジュール「NICT Hyper Wi-SUN 3」が、規格認証団体Wi-SUNアライアンスの認証試験に世界で初めて合格しました。この認証試験は、宅内エネルギー管理アプリケーション用の標準通信規格であるECHONET Liteを実現するための、国際無線通信規格「Wi-SUN」への適合性確認を行うものです。
NICTは、Wi-SUNの研究開発・国際標準化を主導的に行ってきましたが、今回、NICTが開発した無線モジュールが世界で初めてWi-SUN認証を取得したことにより、本無線モジュールが今後の認証試験の「標準器」として利用される可能性が高くなり、今後、急速な普及が見込まれるスマートメーター用無線機の利用拡大に寄与することが期待されます。
図1に今回認証された無線モジュール「NICT Hyper Wi-SUN 3」の外観を示します。Wi-SUNの認証要件に加え、多様な利用形態を想定した上でのFEC (Forward Error Correction: 前方誤り訂正)などの付加的機能まで含め、物理層集積回路及び制御用MCU(Micro Controller Unit: 組込型マイクロプロセッサ) 、MAC層集積回路を4cm×2cmの小さな基板上で構成することに成功しています。図2に無線モジュール「NICT Hyper Wi-SUN 3」を搭載した無線機実装例の外観を示します。


図1 無線モジュール「NICT Hyper Wi-SUN 3」
図1 無線モジュール「NICT Hyper Wi-SUN 3」
図2 「NICT Hyper Wi-SUN 3」を搭載した無線機実装例
図2 「NICT Hyper Wi-SUN 3」を搭載した無線機実装例


Wi-SUN規格の認証要件は、以下のとおりです。
○物理層
  • 物理層における認証要件とは、無線信号伝達時の電波の性質や、ビット系列の順番等に関する無線データ形式の規定が守られ、正しい無線のやり取りが行われることです。
  • 今回、物理層に関する試験では、IEEE 802.15.4g規格をベースとする通信データ形式の正常な送受信が確認できました。
○MAC層
  • MAC層における認証要件とは、無線機同士がそれぞれの存在を検知しながら、無線信号同士の衝突低減等を目的とする通信網を自律的に構築することです。
  • 今回、MAC層に関する試験では、各無線機が自律的にIEEE 802.15.4e規格に準拠する通信網を形成する動作が確認できました。
○インタフェース
  • インタフェースにおける認証要件とは、想定するアプリケーションに準じた、上記物理層・MAC層の機能を前提としながら、端末同士の認証等のよりユーザに近い機能の制御を効率的に行うことです。
  • 今回、インタフェースに関する試験では、PANA(Protocol for carrying Authentication for Network Access)プロトコルを用いた正常な端末間認証の動作が確認できました。


規格認証団体Wi-SUNアライアンス
無線機等の製品が特定規格に適合することを認証し、証明となるシールやロゴ等の発行を認可する団体。本証明により、ユーザが適合機器を正しく分別し使用することが可能となる。同時に、本証明は、異種無線機間の相互接続性を保証するもの。スマートメーター用無線の規格認証団体は、Wi-SUN(ワイサン: Wireless Smart Utility Network)の名称で、2012年1月24日に設立された。

HEMSアプリケーション用標準通信プロトコルECHONET Lite
ECHONET Lite(エコーネットライト)は、エコーネットコンソーシアムが策定したHEMS(宅内エネルギー管理システム)アプリケーション用標準通信プロトコルである。ISO規格及びIEC規格として国際標準化されており、2012年2月24日、経済産業省により、スマートメーターや家庭内機器と HEMSをつなぐ日本国内での標準プロトコルとして推奨された。


○関連報道:
2013/10/3 国際無線通信規格「Wi-SUN」が次世代電力量計「スマートメーター」に無線標準規格として採用
(https://www.nict.go.jp/press/2013/10/03-1.html)


本件に関する 問い合わせ先

ワイヤレスネットワーク研究所 スマートワイヤレス研究室

原田 博司、児島 史秀
Tel: 046-847-5084
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