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音声アシスト規格FM送信機を用いた仮設住宅におけるフィールド試験について

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2012年1月24日

NICTは、視覚障がい者への歩行支援を目的とする音声アシスト規格(ARIB STD-T68)に準拠した“特定小電力無線電話送信機”を、平成21年度に3台試作し、多くのFMラジオで受信可能という特長を活かした音声同報手段としての可能性を検討しています。今回、震災復興支援活動の一環として、同送信機を東日本大震災の仮設住宅地に設置し、居住者への音声アシストサービスと共に、電波伝搬状況の検証を目的としたフィールド試験を開始しました。

NICTが試作した送信機は、FM放送帯の直下に当たる75.8MHzの周波数を使用する音声同報用無線設備で、技術基準適合証明を受けた特定小電力無線局として、免許・資格無しに運用でき、ほとんどのダイヤル選局式FMラジオでも受信できる特長があります。そのため、災害時等においても、仮設住宅の集会所等に簡便に設置することができ、仮設住宅およびその周辺に居住するお年寄り等に向けて、音声アシストサービスを行う手段として期待できます。

図1:石巻バイパス用地応急仮設住宅(全236戸)
図1:石巻バイパス用地応急仮設住宅(全236戸)

このほどNICTは、宮城県石巻市内に設置された、女川(おながわ)町民向けの「石巻バイパス用地応急仮設住宅」(全236戸, 図1)において、女川町、および同町の運営する「おながわさいがいエフエム」(JOYZ2AG-FM)のご協力を得て、同住宅地の集会所に同送信機を設置し、電波伝搬の試験を行いました(図2, 3)。その結果、同住宅地の概ね半数の住戸をカバーするエリアにおいて、同送信機の電波をFMラジオで受信できることを確認し、音声アシストサービスを行う手段として有効である結果が得られました。

NICTは今後、音声アシスト規格の目的である視覚障がい者への歩行支援に加えて、生活支援等も含めた広い福祉用途としての簡便な情報提供サービスの可能性を検証するための装置開発や実証実験等を行って参ります。

図2:集会所の屋根に送信アンテナ等を設置
図2:集会所の屋根に送信アンテナ等を設置
図3:集会所内に送信機を設置
図3:集会所内に送信機を設置

本件に関する 問い合わせ先

広報部 報道担当

廣田 幸子
Tel:042-327-6923
E-mail: