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平成29年度委託研究終了評価結果(概要)
採択
番号
研究開発課題名 研究
期間
(年度)
受託者
(◎印:
代表研究者)
主な評価コメント 評価
16901 Tバンド、Oバンドによる大波長空間利用技術の開発

副題 新規波長帯を開拓する基本コンポーネントの開発及び高度化
H25
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H29
◎学校法人慶應義塾
本研究は現在切迫している通信容量の拡大に対応する新規な波長帯でのシステム構成を提案するものであり、光ファイバの低損失波長帯で未開拓のTバンドに果敢に取り組み、従来のOバンドまでをも包含する広波長帯において波長ルーティングで接続するという斬新なシステムやそのための光デバイスを開発したプロジェクトである。目標設定の具体性と、各担当で高い技術力を有する機関が有機的に連携して、それぞれの分担や連携結果による目標の達成と、さらに国際会議でのシステムデモまでもの成果を上げ、実用性の高さを示したことは高い評価に値し、委託研究の中でも成功例の一つであろう。この委託研究の成果を受けて、今後NICTも加えてどのような普及、展開の戦略を打ち出すか、また技術の先導性を如何に維持していくかが非常に重要と考えられ、さらなる成果を期待したい。
S
パイオニア・マイクロ・テクノロジー株式会社
光伸光学工業株式会社
株式会社オプトクエスト
17001 革新的光ファイバの実用化に向けた研究開発

副題 ペタビット級空間多重光ファイバの実用化・大容量化技術
H25
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H29
◎株式会社KDDI総合研究所
ペタビット級マルチコアファイバ(MCF)の製造および伝送技術について、実用レベルの設計指針確立と空間多重による長距離大容量光通信システムの実現可能を示すことを目的として、コア密度拡大・長尺化・ケーブル高信頼化等の実用化に向けた技術確立を進める一方で、MCF伝送の可能性追求としてモード多重伝送により19コア6モード多重で10Pbit/s以上の伝送容量世界記録(伝送距離11.3km)を達成し、また256値以上の超多重QAM伝送方式の評価及び伝送技術を確立し単一モードMCF伝送で最大の2.2Pbit/s伝送の可能性を実証するなど、先端技術として世界的に注目を集める成果を輩出した優れたプロジェクトであった。今後は、本プロジェクトの成果として得られた実用化へのマイルストーンとしての技術をさらに深め、技術全体の成熟化や低コスト化等を図っていただきたい。
S
古河電気工業株式会社
住友電気工業株式会社
国立大学法人東北大学
17002 革新的光ファイバの実用化に向けた研究開発

副題 マルチコア光ファイバ技術と標準化指標の確立
H25
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H29
◎日本電信電話株式会社
高品質・長尺マルチコアファイバ(MCF)製造技術の確立、数モード(FM:Few-Mode)MCFのポテンシャル明確化、国際標準化指標の確立を目的として、低損失マルチコアファイバを200km以上長尺製造する技術の確立、ファイバの設計・評価技術、ノードデバイスの考案試作等においてトップクラスの成果を挙げた。また、課題間連携実験で125μm標準クラッド径MCFにおいて世界トップの100Pbit/s・kmの能力を実証し、今後のMCF標準化の方向性を明確化するなど、論文や知的財産なども含め目標を上回る成果があった。これらの成果をもとにした標準化提案も行われ、優れたプロジェクトであったと評価できる。今後は、本プロジェクトの成果として得られた実用化へのマイルストーン技術をさらに深め、実証実験や標準化の働きかけを強めるなど総合的なアプローチを継続していただきたい。
S
住友電気工業株式会社
株式会社フジクラ
古河電気工業株式会社
国立大学法人北海道大学
国立大学法人横浜国立大学
公立大学法人大阪府立大学
17301 脳活動推定技術高度化のための測定結果推定システムに向けたモデリング手法の研究開発

副題 脳機能ネットワークダイナミクスプラットフォームの構築
H25
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H29
◎株式会社国際電気通信基礎技術研究所
最高レベルのスタッフが精力的かつ真摯に取り組んできたと高く評価する。環境間・被験者間で汎化性能を上げた脳情報デコーディング技術の開発という目標に対しては、100%達成したというのは難しいが、その過程で開発した成果には目覚ましいものがある。目標達成のためにどのような問題があるのかが浮き彫りにされた点も大きな貢献である。しかしながら、汎用的生成モデルの精密化で、臨床医療や介護現場でのニーズに応えるレベルの技術に高めるには、方法論的に何らかの飛躍が必要と感じた。課題毎にモデルをたてることも、近年の計算プラットフォームの整備状況を踏まえると、昔よりかなり平易になってきた。これまでの素晴らしい実績にとらわれずに、新しい視点で研究を発展させて欲しい。
A
175A01 光周波数・位相制御光中継伝送技術の研究開発

課題A 高精度光周波数・位相同期制御技術

副題 周波数利用効率の向上・高速リストレーションを揃って可能とする高コヒーレンシ光源技術
H26
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H29
◎三菱電機株式会社
既存の100Gbpsディジタルコヒーレント技術に対して周波数利用効率・伝送距離の積(SDP)を2倍に高めるために、光源の高精度な光周波数及び光位相制御技術を開発し、スペクトル線幅 100kHz以下・周波数安定性±100MHz以下であり、1.25THz(10nm)内のITUグリッド光周波数に100msec以内でスイッチング可能な光源を実現するとともに、ディジタル光PLLによりDSPの負荷低減を図ることを目的としたプロジェクトで、技術的な数値目標は計画以上のものが達成された。課題175B01との連携実験によってSDP値の2倍向上も示され、今後の需要に対応する技術としての可能性が実証された。また、課題153との連携実験で本課題の成果である光源が利用された点も重要なポイントである。成果のアウトプットの面では、論文発表の面ではおおむね計画目標が達成され、特許出願・一般口頭発表・展示会で計画目標以上の成果があり、優れたプロジェクトであったと考える。
本課題の成果である高安定・高コヒーレント光源は、製品化としても実用レベルを見通せる範囲にあるといえる。実用化に向けた製品化への道筋の一方で、最新技術の実証実験系に本光源を取り入れることにより、チャンピオンデータ実現への貢献も今後期待できる。そのような成果を最先端論文や国際会議に公開して積極的なアピールを続けて欲しい。
S
国立大学法人大分大学
175B01 光周波数・位相制御光中継伝送技術の研究開発

課題B 広帯域マルチキャリア光パラメトリック光増幅中継技術

副題 大容量マルチキャリア信号の高ダイナミックレンジ中継増幅技術
H26
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H29
◎日本電信電話株式会社
既存の100Gbpsディジタルコヒーレント技術に対して周波数利用効率・伝送距離の積(SDP)を2倍に高めるために、 大容量マルチキャリア・高ダイナミックレンジの中継増幅技術として光パラメトリック増幅器、高出力励起光生成、励起光位相制御技術の研究開発を行うプロジェクトで、技術的な数値目標は計画以上のものが達成された。課題175A01との連携実験によってSDP値の2倍向上も示され、今後の需要に対応する技術としての可能性が実証された。位相感応増幅器に関する研究開発に加えて、位相共役変換器を新たに追加提案してその最終目標の達成を図った点は、この変換器のシステム応用の多様性からも評価できる。また、位相感応型光増幅器の新たな雑音評価指標とその測定法の提案なども多面的な研究成果に貢献している。成果のアウトプットの面では、論文発表・特許出願の面ではおおむね計画目標が達成され、収録論文・報道で計画目標以上の成果があり、優れたプロジェクトであったと考える。
光パラメトリック増幅技術による低雑音光伝送路や、位相共役変換器による非線形補償技術に加えて、課題Aで実施された高い周波数安定度をもった高コヒーレント光源と組み合わせた構成は今後ニーズが高まると予想される。関係者の協力のもと、今後も世界の研究開発を牽引していただくことを期待したい。
S
古河電気工業株式会社
国立大学法人徳島大学
178A01 ソーシャル・ビッグデータ利活用・基盤技術の研究開発

課題A ソーシャル・ビッグデータ利活用アプリケーションの研究開発

副題 気象データ・地域ソーシャルデータを活用したリアルタイムデータ解析技術の研究開発
H26
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H29
◎エヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株式会社
人の行動を、「蓄積された結果の統計的な解析ではなく、リアルタイムに解析し、その結果を必要とする人にリアルタイムに提供する」ことは情報工学の応用として重要な分野である。よってGoogleなどは心理学や社会学などを含む広範な分野の研究者を組織し、桁違いの費用をかけて研究開発している。そのなかで、この研究は単独企業として限られた既存のリソース(人材・費用)で入口から出口まで一通りのことを実施している。その意欲は評価できるが、たとえば園内の入場者を誘導するという目標を実現するために必要なデータ(場所でいえば緯度経度だけでなく、園路の道幅・曲がり具合・勾配・視野の広さ・その時点での局地的な人口密度など)は何であるか、といった考察が報告書に記述されていない。そのようなデータは不要であり、ビッグデータにそれらの効果は反映されているのでビッグデータの解析からおのずと結論が出るのだ、ということかもしれないが、そのためには今回程度のサンプル数がビッグデータになっているか、という考察が必要である。
資源が限られたなかでの研究開発にならざるを得ないのであるとすれば、研究内容にもっとメリハリを付けるべきであった。たとえば、実験データから対象の属性(ベビーカーかリピーターかなど)を推定した結果6割近い正解率となっていて満足すべき結果であると評価しているが、あまり満足な結果とは感じられない。こういうところの精度を向上させるなど、的を絞った方が良かったのではなかろうか。
B
178A02 ソーシャル・ビッグデータ利活用・基盤技術の研究開発

課題A ソーシャル・ビッグデータ利活用アプリケーションの研究開発

副題 月経周期と基礎体温に基づく女性健康予報システムの研究開発
H26
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H29
◎キューオーエル株式会社
中間評価で目標を修正したことにより焦点が明確になった一方で、ビッグデータの取得から解析までの支援については不十分であり、ビッグデータ分析やシステムの観点では不十分であると言える。しかし、新たなモデルの構築と検証が行えたことは評価できる。さらなる研究開発、権利化、実用化など課題は多いが、今後の期待も大きい。
B
大学共同利用機関法人情報・システム研究機構統計数理研究所
有限会社マイクロウィジェット
178A03 ソーシャル・ビッグデータ利活用・基盤技術の研究開発

課題A ソーシャル・ビッグデータ利活用アプリケーションの研究開発

副題 ビッグデータの教育分野における利活用アプリケーションの研究開発
H26
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H29
◎国立大学法人九州大学
教育ビッグデータは、高度情報通信技術による教育の質の向上にとって非常に重要な分野であるが、教育業界、特に学校教育への投資は見返りが少ないとの判断から、企業からの投資がなかなか進まない問題がある。その分野に着目し、かつ産学連携体制をとり、九州大学全体を対象とした本事業の意義は大きいと考えられる。不十分な点もあるが、当初の事業計画、及び予算規模を勘案すると、本事業は概ね適切に実施されたと言える。我が国の大学の中でも極めて先進的で、全体的には意義の高い事業となっている。本研究事業期間終了後も、研究開発が継続され、その成果が日本全体に波及していくことを期待する。
S
京セラコミュニケーションシステム株式会社
178A04 ソーシャル・ビッグデータ利活用・基盤技術の研究開発

課題A ソーシャル・ビッグデータ利活用アプリケーションの研究開発

副題 ヘルスリテラシー向上のための生体ログデータ分析に基づく健康情報フィードバック
H26
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H29
◎学校法人慶應義塾
生体ログビッグデータの収集はなされたが、開発システムには特に新規性はない。ビッグデータを用いた分析など、実証実験が実施されなかったことは残念である。医療・介護の専門家が組織に含まれていなかったという組織作りにおける問題もあった。
B
株式会社タニタヘルスリンク
178A05 ソーシャル・ビッグデータ利活用・基盤技術の研究開発

課題A ソーシャル・ビッグデータ利活用アプリケーションの研究開発

副題 うつ病の治療効果・効率を高めるためのライフログ情報を用いた認知行動療法支援アプリケーションの研究開発
H26
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H29
◎株式会社国際電気通信基礎技術研究所
うつ病の問題は我が国として無視できない大きな問題であり、実用的な成果を上げた点は高く評価できる。今後は医療機関による本格的な実証実験や評価に取り組み、本研究の成果が発展・普及することが大いに望まれる。
A
国立大学法人京都大学
178A06 ソーシャル・ビッグデータ利活用・基盤技術の研究開発

課題A ソーシャル・ビッグデータ利活用アプリケーションの研究開発

副題 医療の質的向上と医療費削減を実現する医療サービス分析システムの研究開発
H26
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H29
◎株式会社シーイーフォックス
実用的なシステムの開発・運用と実際の医療現場における実証実験に重点が置かれた研究である。研究計画は妥当であり、ほぼ予定どおり進展した。
取得されたデータの解析をもとに、実際の医療現場における医療従事者の負荷の平準化を実現できたという実用的な成果が得られたことは大いに評価できる。2018年春に研究代表者が介護業務分析サービス事業を開始する予定であり、実用化の道筋もできている。
病院の経営改善、患者の治療効果の向上に関する信頼できる成果が得られたことは、先行事例として他の開発の指針となると考えられることから、この点でも評価できる。今後のさらなる開発と普及活動に期待する。
A
国立大学法人九州大学九州大学病院
国立大学法人九州工業大学
公立大学法人熊本県立大学
178A07 ソーシャル・ビッグデータ利活用・基盤技術の研究開発

課題A ソーシャル・ビッグデータ利活用アプリケーションの研究開発

副題 はたらく車プロジェクト~公用車等の徹底活用によるビッグデータ利活用モデルの構築~
H26
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H29
◎株式会社ゼンリンデータコム
自治体と協働してその業務車両によるデータ収集とその利活用手法について一定の成果を上げていることは評価できる。しかしその成果の社会実装の展開については例示的なものであり、今後の社会実装の展開に向けた取り組みが求められる。
A
国立大学法人東京大学
株式会社構造計画研究所
株式会社日建設計総合研究所
178A08 ソーシャル・ビッグデータ利活用・基盤技術の研究開発

課題A ソーシャル・ビッグデータ利活用アプリケーションの研究開発

副題 降水レーダーとセンサネットワークによる地域気象観測・予測と防災・エネルギーマネージメント
H26
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H29
◎特定非営利活動法人中央コリドー情報通信研究所
地元の農家と連携し、観測実験を行う取り組みは、比較的手間のかかる実験であるが、そのような特性をうまくカバーするとともに、妥当な実施計画および実施体制を維持し、必要な実験および評価を行っている。実際、霜対策として農家に観測情報を提供するなど、適宜成果をだしている。これは本プロジェクトの目的の1つである地元貢献であり、成果をあげたといえる。
また、本プロジェクトの参加者には、過去に研究活動に従事した技術者はおらず、報告書の作成に不十分な部分がみられた。一方、レーダー、気象センサなどの多数のセンサーを用いているため経費もかかると思われるが、データ処理に工夫を施すなど、経費に見合った成果が得られている。
本プロジェクト参加者は、これらの経験を基に、会社の設立を予定している。ぜひ、地方発のビッグデータ応用の実用化に成功してほしい。
A
エリアポータル株式会社
国立大学法人山梨大学
一般社団法人 日本ケーブルラボ
株式会社エヌ・ティ・ティ・データ・イントラマート
178A09 ソーシャル・ビッグデータ利活用・基盤技術の研究開発

課題A ソーシャル・ビッグデータ利活用アプリケーションの研究開発

副題 多様なデータ融合による災害時のモビリティ支援
H26
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H29
◎国立大学法人東北大学
成果の「避難支援策の設計・評価システムの開発」と「被災・交通システムのリアルタイムモニタリングシステム開発」のうち、後者のリアルタイムモニタリングの成果は、国民生活にとっても非常に大切な成果である。気象庁などと協調することにより、災害時の国民への行動のための1つの指針の一助になると思われる。今後の展開に期待したい。また、2つの成果は補完しうる可能性があるので、成果の統合など今後の更なる研究進展に期待する。
S
株式会社アイ・トランスポート・ラボ
アジア航測株式会社
株式会社オリエンタルコンサルタンツ
一般財団法人日本気象協会
本田技研工業株式会社
178A10 ソーシャル・ビッグデータ利活用・基盤技術の研究開発

課題A ソーシャル・ビッグデータ利活用アプリケーションの研究開発

副題 マルチエージェント未来交通予測による渋滞緩和
H26
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H29
◎国立大学法人名古屋工業大学
マルチエージェント型の交通シミュレーションという難しい課題を解決し、かつ、都市レベルの大規模道路網で10,000台の車両の実装も可能なシステムを実装した成果は大きい。行動モデルに関する多様なドライバーや車両の考慮や交通管理の実務的応用の検討に発展的に取り組むことを期待する。
A
NECソリューションイノベータ株式会社
178A13 ソーシャル・ビッグデータ利活用・基盤技術の研究開発

課題A ソーシャル・ビッグデータ利活用アプリケーションの研究開発

副題 バイルセンシングを活用したスマートシティアプリケーションの研究開発
H26
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H29
◎大学共同利用機関法人情報・システム研究機構国立情報学研究所
研究成果及び費用対効果は概ね妥当である。
ただし、本成果を実際に継続して発展普及できるかという点は明確ではない。また、技術の普及という観点や市民参加型という観点からは、モニターの意見や自治体の要望だけでなく、技術展示会や講演会開催などを通して広範な市民の意見などを収集することも有効だったと思われる。今後本成果の普及展開は委託研究期間終了後が肝心なので、継続して対応されることを期待する。
A
国立大学法人北海道大学
178A14 ソーシャル・ビッグデータ利活用・基盤技術の研究開発

課題A ソーシャル・ビッグデータ利活用アプリケーションの研究開発

副題 構造物監視センサー活用実証実験
H26
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H29
◎日本電気株式会社
実装した加速度センサーのデータ解析による、卓越周期を判定指標として橋梁の損傷進行を把握する研究開発である。長期劣化の評価はFEM解析との整合性を確認したのみであるが、突発的災害の損傷判定にはシステムとして機能すること、また、設置基準や運用マニュアルも作成しており、ほぼ目標をクリアーできた。
実用化には、卓越周期指標の精緻化、指標と損傷度の相関性、効果的なセンサー配置と低コスト化など、解決すべき課題は多いが、今後もデータ蓄積し、本マネジメントシステムの完成度向上を期待する。
B
一般財団法人首都高速道路技術センター
178A15 ソーシャル・ビッグデータ利活用・基盤技術の研究開発

課題A ソーシャル・ビッグデータ利活用アプリケーションの研究開発

副題 農業におけるG空間ビッグデータ収集・分析・活用による高度営農支援プラットフォームの構築
H26
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H29
◎国立大学法人北海道大学
本分野は、日本の農業において特に顕著な、少子高齢化や農産物競争の自由化という課題に対するアプローチであり、社会的ニーズは高い。本研究では、全般的に目標とする課題の解決は達成しており、プロジェクトとして満足のいく成果があがっている。特に、ドローンによる植被率からの苗立密度マップの生成、リモートセンシングによる小麦料推定、トラクタ燃料消費量と土壌硬度との相関等他データとのフュージョンアプローチに顕著な成果が見られ、ビッグデータ化しAIを導入することでアルゴリズムの確立が期待できる成果を得ている。
今後は、各分野ごとに研究の深掘りを進め、さらに知見を得ることが期待される。論文等の成果については今後出てくると思われるので、継続的に進めてほしい。
A
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
地方独立行政法人北海道立総合研究機構
芽室町農業協同組合
株式会社オーレンス
178B02 ソーシャル・ビッグデータ利活用・基盤技術の研究開発

課題B 新たなソーシャル・ビッグデータ利活用・基盤技術の研究開発

副題 道路付帯構造物のセンシングおよび診断方法の研究
H26
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H29
◎株式会社エヌ・ティ・ティ・データ
付帯構造物として数量が多い道路照明柱をターゲットとし、損傷の有無、損傷程度に関する判定指標の提案から可視化システムの構築、実証試験による検証を踏まえた評価手法(案)の策定まで、ほぼ目標は達成されているものと評価できる。
自治体連携の実用化には時間を要するが、判定指標の精緻化を進めるためにもデータ量の蓄積が今後とも重要であり、本システムの完成度向上を期待する。
A
JIPテクノサイエンス株式会社
178B03 ソーシャル・ビッグデータ利活用・基盤技術の研究開発

課題B 新たなソーシャル・ビッグデータ利活用・基盤技術の研究開発

副題 ライフラインデータを活用した高齢者の在宅生活を支援するライフマネージメント基盤の研究
H26
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H29
◎NECソリューションイノベータ株式会社
基盤となるシステムは開発できており、設定された個々の研究課題について一定の成果が上がった点は評価できる。一方で、本研究開発のシナリオが実際のサービスとして成立するかは明確でない。システムの実用化・普及のためには、高齢者の在宅支援サービスにおける効果について、本格的な実証実験を行う必要がある。スマートメーターでできることが明らかになった反面、スマートメーターに頼る限界もあり、高齢者見守りサービスとして波及するかは不透明である。Wi-SUNの活用という観点では、あまり実質的な取り組みが見られなかった。
A
国立大学法人金沢大学
日本電気株式会社
178B04 ソーシャル・ビッグデータ利活用・基盤技術の研究開発

課題B 新たなソーシャル・ビッグデータ利活用・基盤技術の研究開発

副題 オープン・スマートシティを実現するソーシャル・ビッグデータ利活用・還流基盤
H26
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H29
◎学校法人慶應義塾
個々の課題の達成度及び費用対効果や、成果の普及努力も十分である。特に、「循環型オープンソーシャルビッグデータの生成・流通・解析基盤」の構築・提供により、一般のユーザからのデータ提供も含めたビッグデータの利活用が図れる環境の構築に向けた第一歩になったと評価できる。慶應義塾大学の別のIoTに関する助成プロジェクトの成果や海外都市との連携などの成果をこのプロジェクトにも生かす努力をしており、高く評価できる。
S
国立大学法人東京大学
学校法人東京電機大学
日本電信電話株式会社
178B05 ソーシャル・ビッグデータ利活用・基盤技術の研究開発

課題B 新たなソーシャル・ビッグデータ利活用・基盤技術の研究開発

副題 ソーシャル・ビッグデータ駆動の観光・防災政策決定支援基盤の研究開発
H26
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H29
◎大学共同利用機関法人情報・システム研究機構国立情報学研究所
データ収集、解析に関する技術的研究開発、および、地域と連携した実証事業の両面で一定の成果を上げることができたと評価する。
今後、成果の一層の活用にあたっては、民間事業者が収集する情報の融合や、分野や地域特性に応じた意思決定支援ツールの充実を期待する。
A
大学共同利用機関法人情報・システム研究機構統計数理研究所
国立大学法人山梨大学
国立大学法人長崎大学
178B06 ソーシャル・ビッグデータ利活用・基盤技術の研究開発

課題B 新たなソーシャル・ビッグデータ利活用・基盤技術の研究開発

副題 交通ビッグデータに基づく運転者指向サービス基盤技術の研究開発
H26
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H29
◎国立大学法人東京大学
交通ビッグデータ処理基盤技術としての当初の目的は達成していると評価できる。大きな助成額の成果を運転者志向サービス基盤技術の普及に活用し、安心・安全な交通に貢献することを期待する。
A
178B07 ソーシャル・ビッグデータ利活用・基盤技術の研究開発

課題B 新たなソーシャル・ビッグデータ利活用・基盤技術の研究開発

副題 鉄道等の社会インフラが抱える課題解決を支える通信ネットワーク基盤の開発
H26
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H29
◎三菱電機株式会社
Wi-SUN通信デバイスや可視化アプリケーションを開発し組み込んだネットワークシステムの実証デモ(フェーズⅠ)により得られた結果を基に、実用化を目指したシステム全体の改良を実施。その後、営業路線を含めた実証デモ(フェーズⅡ)を行い、研究成果の検証を行っている。研究開発のプロセスや得られた成果の実用性など、目標の達成度および社会への貢献度は十分なものと評価する。
また、鉄道事業者に限らず、他のインフラ事業者への普及・波及も期待できることから本研究開発の成果は高く評価する。
S
公益財団法人鉄道総合技術研究所
学校法人早稲田大学
株式会社アイ・エス・ビー
総合評価の評価点 S:非常に優れている A:適切である B:やや劣っている C:劣っている